「ユーザーファースト」と「カスタマージャーニー」のジレンマ。アニメコンテンツマーケターの視点でアドテック東京を見てきました。
■ユーザーファーストが設計しにくいマーケティング事情
9月17日、18日に東京国際フォーラムでアドテック東京が開催されていたので行ってきました。
その中でも以下のセッションを見てきました。
- カスタマージャーニーセッション -「たとえそれが仮説だとしても。カスタマージャーニーを描けないマーケティングが、機能するわけもない時代ですよね?」
上記の選んだ理由は、前回のブログでご紹介させていただきましたクレアラシルの企画において、ご一緒させていただいました、FICCさんが登壇されたためです。(もちろんテーマもラノベみたいで興味ありました)
さて、上記セッションは、
堀昌之さん(株式会社SAKUSEN TOKYO 代表取締役 プランニング・ディレクター)
上原哲郎さん(株式会社コンセント 代表取締役)
小川和也さん(SPARK株式会社 代表取締役)
深田浩嗣さん(株式会社ゆめみ 創業者兼取締役)
稲葉優一郎さん(株式会社FICC プロデューサー/クライアントサービス事業部マネージャ)
の5名の方がカスタマージャーニーについて、クライアント提案、デザイン、UX、オムニチャネル、ゲーミフィケーションーションなどの視点を対談形式で行っていました。
そもそも、カスタマージャーニー(カスタマージャーニーマップ)とは、
顧客の行動文脈を旅(ジャーニー)のプロセスに見立てて可視化し、把握する
ということです。おそらく企業マーケターの方、提案をされる方はご存知と思いますので割愛します。
さて、セッションの中でもっとも印象に残ったのは「ユーザーファースト」というキーワードでした。
企業マーケターの方はもちろん、「ユーザーファースト」を意識されていると思いますし、提案側も「ユーザーファースト」なカスタマージャーニーをどうやって設計するか考えることは重要です。
しかし、セッションでは40分という短い時間もあり、どのようにすれば「ユーザーファースト」が設計できるのかについて明確な回答は出ませんでした。
その中で、FICCの稲葉さんがおっしゃっていた、「カスタマージャーニーマップに縛られるのではなく、自分達が本当に欲しいと思える設計かクライアントと徹底的に考えることが重要」というのは激しく同意です。
我々クライアントに提案する側は、ビックデータなどを使い、データドリブンし、顧客の声を分析する必要があるのですが、実際は顧客がデータドリブンのスピードよりも速く変化してしまう、ゆえに明確な「ユーザーファースト」を設計しにくい。
というのが多くの提案側の課題なようです。もちろんクライアントである企業マーケターの方の課題でもあるでしょう。
セッションの結論としては、仮説の仮説を立てて、より早くPDCAを回して(データドリブンし)、企業と実践を通して顧客像を明確化し、「ユーザーファースト」を形成しようということでした。
■アニメコンテンツマーケティングはユーザーファーストが設計しやすい
さて、本題。
アニメコンテンツと一般企業様のコラボレーションを専門に企画させていただいている私ですが、私の場合、「ユーザーファースト」はどうしているのか、「カスタマージャーニー」はどうしているのか、当てはめて考えてみました。
結論から言うと、アニメコンテンツとコラボすることで、「カスタマージャーニー」と「ユーザーファースト」は作りやすいです。
ビックデータやデータドリブンをして仮説の仮説を高速で設計するよりも、仮説の精度が高いと感じています。
理由は、アニメコンテンツにはコンテクストやストーリーがすでにあるからです。
アニメコンテンツのファンにとっての「カスタマージャーニー」はアニメのストーリーやキャラクターの心情であり、「ユーザーファースト」はファンが共感しているものです。
その共感の声はTwitterやpixiv、ニコニコ動画、グッズ販売データを見ることで仮説を立てることができます。特徴としてアニメファンはTwitterの「ながら視聴」、ニコ生の「ながら視聴」など文化ができており、リアルタイムで膨大です。しかも、アニメファンはアニメコンテンツに対しての感情移入し、心情が揃った状態で「ながら視聴」のデータを出しているため、変化点が明確です。
さらに、アニメのストーリーは半永久的に変わることはないので、ファンも変化することはほとんどないと考えます。
ゆえにデータ分析から導くユーザーファーストの仮説を設計しやすいのではないでしょうか。
複雑になってしまいましたが、まとめますと、アニメコンテンツマーケティングにおいて、以下の3点においてシンプルに理解しやすく、
・データ分析
・ユーザーの変化
・仮説設計
設計しにくいと考えられているカスタマージャーニーと、ユーザーファーストにおいても答えを出しやすいのではと考えます。
最後に、アニメコンテンツマーケティングだけでは企業のマーケティングの全てを担うことはできません。あくまで一部です。やはり、ご登壇された皆様がおっしゃっているように、データドリブンを高速化し、仮説の仮説を通してカスタマージャーニーを設計し、徹底的にユーザーファーストを大きく追及していく必要があるのだと感じました。
アニメコンテンツマーケティングマーケティングについては、もしご興味がありましたら、ぜひの弊社サイトもご参照ください。
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