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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

『ソーシャルメディア炎上事件簿』は、時折参照したい手引き

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7月の目黒雅叙園での講演の際にお世話になった日経BPの小林直樹さんによる『ソーシャルメディア炎上事件簿』は、こんな時どうしよう?に答えてくれるヒントがたくさんあります。最近起こったソーシャルメディアの炎上ケースが6分類にパターン分けされて紹介されています。それぞれが短いパートで構成されているので、「あっ、この場合の対処は?」の時に役立ちます。

匿名か実名化か、社名を出すか伏せるか、議論がありますが、紹介されている実例を見ると、そのどちらでも炎上は起きています。特に恵比寿のホテルの事例は、匿名でかつ正社員でもなく社名も出していないのに、あらゆる方法で実名と顔写真が特定されコピーされネット上に公開されてしまいました。著名人のプライバシーを公開した代償に自らのプライバシーも晒されることになってしまったこの事例は、今後のソーシャルメディアの利用のあり方を大いに考えさせられます。

では、炎上しないためにどうすればいいのか?
個人的に思うことは、炎上するのはソーシャルメディア上(ネット上)ですが、その原因はそこにはありません。普段の考えや言動、行動にその火種があります。たとえそれがソーシャルメディア上の発言でなくても炎上します。

根本的に見直さねばならないのは日常の振る舞いです。ソーシャルメディア上での対策をしていても解決されないのではと私は考えます。

この本の後半は、実際に起きた事例において企業や個人がその後どのように対応したかが紹介されています。上手く対処した事例、さらに事態が悪くなった事例があります。良い事例、悪い事例、そのどちらも検証することが、今後の対策に有益でしょう。対応は一律でありません。時と場合によって対処は異なります。しかし、この本にはそのヒントがあります。こうしたことを日々考えて、自分なり、企業なりの基本スタンスを持っておくことは重要だと思いました。

ちなみにこの本では、弊社もとりあげられています。えっ、本当に?
と言っても炎上事例ではなく、IBMの個人利用のソーシャル・コンピューティング・ガイドラインについてです。このガイドラインがあるから、弊社も私も絶対に炎上しないということはありません。そのリスクは常にあります。ただ、これが何らかの手助けになれば幸いです。

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