差別化としてのブランディングが無力化する現代の処方箋Vol.4
前回は企業のブランド崩壊の現場について、実例を交えながら解説をしました。
企業は、涙ぐましい努力を研究開発という場で日々繰り返していますが、ライバル社との差別化にうまくつなげることができず、消費者からすると気付くか気付かないかくらいの非常にわかりづらい違いしか打ち出すことしか、結果的にはできていません。
企業の、外からは見えない研究開発部門での努力とは裏腹に、我々消費者は何のためらいもなく安い商品を手に取っていき、ブランド神話の崩壊があらゆるジャンルの商品購買の時に起きているという訳です。
このまま企業は、不毛な開発合戦に消耗し続けるしか、他に手は無いのでしょうか?
今回はいま最も必要な差別化・競争戦略とは何か?について、書いていきます。
取るべき差別化・競争戦略の中身
今の時代に必要な差別化・競争戦略は、ライバル社とは明確に違いを出すことができて、容易に追随することのできない戦略です。
具体的には、
何の成果も持たらしてくれない、ただ消耗するだけの激しい競争から抜け出すことが必要です。
そのために肝要なのは、1にも2にもアイデアの重要性を認識するということ。
マーケターが生み出すべきアイデアの特徴は、常に以下のようであるべきです。
3つ挙げます。
- 他社製品とは明確な違いがあるということ
- 生み出す製品のコンセプトにはヒューマニズムが満ちあふれているということ
- 製品自体に他社では得られない魅力があるということ
以上、我々が取るべき戦略の方向性を示しました。
つまり、差別化することの意味を考えることが大切です。
せっかく貴重なリソースであるヒト・モノ・カネを研究開発につぎ込む訳なので、他社製品も競っているようなちょっとした違いしか出せないような微妙な点にだけ、こだわり続けるのではなく、別の方向性を考えるべきだと言うことです。
必要なことはアイデアを磨くということです。
練りに練られたコンセプトに向かって、デザイン・品質・考え方・取組み姿勢などが総合的にプロデュースされた製品を生み出していかないといけないのです。
そこまでしてようやく違いが出せるようになり、差別化戦略・競争戦略が成功すると言えます。
以上、Vol.1〜Vol.4に渡って解説してきた処方箋はいかがだったでしょうか?
企業にとって従来からのブランディングが通用しなくなった時代が現代ですが、答えは必ずあります。
なぜなら、人々は何にお金を使うべきかを常に考えているからです。
ただしとても真剣に考えるようになったことが対策を難しくしています。
だからこそ、彼らの考えに応えるような製品づくりが求められていると言えるのです。
ここまで読んでいただいて、有り難うございました。