差別化としてのブランディングが無力化する現代の処方箋Vol.2
前回までのおはなしでは、昔では当たり前であったブランドの持つ力が、弱体化している、つまり商品選択の際には迷うことなくお気に入りのブランドを手にしてレジに向かっていた、ということが現代ではほとんど無くなってしまった、と書きました。
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
当の企業は何の努力もしていないのでしょうか?
企業側の努力の現状
ブランドが効力を発揮していない時代になったとはいえ、企業は何の努力もしていない訳ではありません。
というよりむしろ、努力をし過ぎているくらいです。それも違う方向へ。
じっくり手に取って、両社の製品を比べてみないと簡単には判別できないような少しの差にこだわり、ユーザ側からすると気づかないような違いを生み出すために日々研究開発に没頭しているのです。
こうした方向性での開発を繰り返し続けたことによって、商品開発スタッフもすっかり疲弊してしまい、出口の一向に見えない迷路にはまり込んでいるような感覚を認識しているはずです。
さらに、マーケティング手法でも、投下する予算の大小だけの違い、つまりただやみくもに目立つためにありとあらゆる手を使うために実弾を投下している、といった具合です。
ユーザ側の見方
上段のような企業側の努力が報われればいいのですが、ユーザから見て、有効に働きかけられていないのが現実です。
非常に多くの企業の取組みは、むしろユーザの商品選択の際の迷いを生じさせているだけで、有効どころかマイナスの作用を及ぼしていると残念ながら言わざるを得ません。
さらに、これらがブランド神話の崩壊につながっているとしたら、考え方を180度かえないといけないことは明白です。
本日は、ここまで読んでいただきまして、有り難うございました。
次回は、企業のブランド崩壊の現場について、書いていきます。
お楽しみに!