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英語で話すことについての考え方

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english02.jpgのサムネイル画像久しぶりに拙稿で英語を取り上げます。
今春から国民的行事でもある"英語"を学び始めた人たちも、そろそろ6月にもなると飽きてきたり、習熟の遅さに焦りを感じ始めているのかもしれません。

今回は、英語で話すこと、英語を学ぶことについて、英語教育研究者の鳥飼玖美子氏が投稿を寄せていましたので、ご紹介したいと思います。(日経新聞 夕刊 2016.6.11)

まず、英語を話せる人たちが社会的に優位に立つ「英語格差」の広がりを指摘しています。

「英語格差の背景には、グローバル化を受けた学校の英語教育の混乱があります。かつての英語教育は、読み書きはできても、話せない、聞き取りができないのが欠点とされていました。」

その後の学習指導要領の改訂で、
「発音や聞き取りは多少良くなったものの、読み書きの能力は落ちています。」

「帰国子女やバイリンガルがもてはやされてますが、幼いときに米国で生活して身に付けた英語がそのままビジネスなど社会の場で通用するかと言えば違います。いまは生活でも仕事でもメールでのやり取りが多くなってきましたから、話し言葉だけでなく、読み書きがより重要になっています」

「英語が母語のネイティブスピーカーのように話す必要はまったくありません。」

グローバル人材の育成について
「英語力が付けば国際競争力が高まると思っている。しかし、これは大きな勘違いです。言い負かされてしまうのは、なにも日本人の英語力が不足しているからではありません。姿勢の問題なんです」

「相手と粘り強く意見を戦わせていく。日本人はこれが苦手です。あきらめが早い。徹底的にやりあうことをしない。」

「しかし、自己主張を良しとする文化で育った人たちとやりとりをする場合には、弱みになります。日本の教育では、説き伏せる、反論するといったことを学んでいません。英語力が高まっても、こうした姿勢が身に付いていなければ勝てません。英語が流ちょうに話せるからといって、それがそのまま世界に通用する人材とはならないのです」

「日本人が英語を学ぶのは、外国人に自分の意見や考えを伝える、日本について理解してもらうところに意味があるのではないでしょうか。」

英語と無理なく付き合っていくには
「まず発想を変えましょう。ネイティブスピーカーを目指すのではなく、自分が主体的に使える英語を身に付けることを目指すのです。」

「世界中の人がお国なまりの英語を使っています。国際共通語はそれでいいんです。コミュニケーションは双方が努力して成立するもの。完璧主義は捨てましょう。」

以上ですが、いかがでしょうか?
前半は厳しい指摘もありましたが、後半は優しい言葉が並びました。
最後に同氏の次のような言葉を参考にして欲しいと思います。

「外国語は生涯学習であり、私はいまだに学んでいます。」

英語の習得には時間がかかり、息の長いスタイルで望まないといけないということです。
焦らずじっくり、なおかつたっぷり時間を掛けて、を心掛けていきましょう。


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