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技術で勝って、商売で負けていませんか?

イヤラブル端末の潜在的な可能性

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earphone.jpgアップルウオッチやギャラクシーギア、ソニーなど、ウエアラブル端末が続々と登場しています。

ではウエアラブル端末はすっかり私たちの日常生活の中に浸透して、溶け込んでいるのでしょうか?
答えはノーです。

期待感を込めてせっかく購入しても、装着時の違和感や使い勝手などの点で、使うのを止めてしまう、手放してしまう人たちも多くいると聞いています。

このままでは尻すぼみで終わってしまいかねないウエアラブル端末ですが、もちろん産業分野での活用は医療や物流方面などで進み続けていて、終わってしまうことはないでしょう。

実はウオッチでもメガネでもない使い方に筆者は可能性を感じています。
「イヤラブル端末」です。
ひょっとしたらウエアラブル端末でも最も主役としてふさわしいのがこのタイプかもしれないと思い始めたのです。

何しろ、イヤホン自体が普段から日常生活で昔から使われ続けていて、装着時の不自然さもなく、目立たなくて取り外しも楽、異物としての印象が全くないところがいいのです。

機能面でのストロングポイントは、医療界で注目を集めている"耳"の機能の多彩さ、万能性から由来しています。

耳は非常に研究しがいのある部位で、潜在性には計り知れないものがあるということです。
例えば、めまいで有名なメニエール病はストレスからくるのですが、実は内耳が影響しているというのも意外なところです。

多様な機能を持った耳にウエアラブルとして装着することによって例えば、体温・まばたき・脈拍や心電図・そしゃく・呼吸や声・皮膚ガス(アルコール濃度や腸内環境)まで端末を通して把握できるという訳です。

そもそも耳の裏には、空気が滞留しやすいので上記の皮膚ガスを採取するのには恰好の部位という訳です。なるほど、おじさん特有の異臭も実は耳の裏あたりから発散されている、という事象から照らし合わせても納得のいく話ばかりではないでしょうか?

そうとは言っても、産業界の動きは早いです。この先1〜2年が勝負とばかりは言ってられないのかもしれません。
なぜなら例えばソニーもすでに、スマートビートレーナーというイヤラブル端末を去年の3月には発売しているからです。

今後は、これらの製品がターゲットにされてより高機能かつ利便性を追求するための開発合戦に発展していくことが予想されます。ユーザ側からすれば楽しみなことではありますが、参入側からすればブルーオーシャンとしてのシビアな見極めが求められていくのです。

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