シャープとホンハイ、偶発債務の提出を経て合意へ
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去る2月25日の臨時取締役会において、産業革新機構による東芝の家電部門との統合案を退け、鴻海(ホンハイ)精密工業による買収提案を受け入れる採択をしてから、再び揺れに揺れたシャープですが、ようやく正式契約にいたりました。
上記の臨時取締役会の直前にホンハイ側に提出した偶発債務に関する書類の存在が明らかになったときは、また再び両社の間の契約には障害が入ったと思ったのでした。
それくらい、あまりにも偶発債務の浮上のタイミングが当初契約目標の直前過ぎたからです。
いずれにしても、ホンハイによる出資額が当初より減額されるなどの影響はありましたが、シャープにとっては何とかここまでこぎつけることができた、というように首脳やメインバンクなどの関係者はようやく安堵できたのではないでしょうか。
今回の一件(騒動と言ってもよい)の経過をずっと眺めていて、特に国をまたがる企業同士のM&Aの場面では簡単には行かない乗り越えるべきハードルが立ちはだかっていることが多いのだとあらためて思い知らされたのでした。
シャープへの出資にあたってはホンハイ側の対応の厳しさばかりが報道されていますが、彼らにとっても将来に渡って生き残るための権利を買うために真剣勝負を挑んできたのです。それが厳しさを伴う対応となって表に出てきたのは当然のことだったのです。
ホームグランドの台湾や中国で雇用している凄い数の全従業員に対して、全責任を追っている郭台銘董事長にとってはどうしても手中に収めたかったのがシャープの技術力だった訳です。
これまでもこれからも、シャープは日本を代表する大企業であり、高い技術力を有した企業であることに変わりはないはずです。
ホンハイの傘下に入っても。
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