鶏口となるも牛後となるなかれ
筆者の知り合いの経営者で、座右の銘として「鶏口となるも牛後となるなかれ」を挙げていた人物が居ましたので、少し触れたいと思います。
この故事成語の意味ですが、次のようなものです。
- 大きな団体で人のお尻についているよりも、小さな団体でも頭(かしら)になるほうがよい。
彼は確かにこの言葉を座右の銘としているだけあって、会社を自ら立ち上げ、複数の社員を抱えるまでになっています。
実は筆者もこの言葉が好きとまでは言いませんが、起業する前までは日本を代表するような大企業に勤めていて、会社員時代に別れを告げる送別会の席では、自分の好きなことを独立して仕事としてできる、という恵まれた運勢に感謝の念で一杯であったことを今でも思い出します。(当時はすでに結婚していましたが子供が小さくて生活費があまり掛からなかったから)
つまり多くの会社員の人たちは、独立したくても家庭を持っていたりして、守るべきものが多過ぎて踏み切れない、という縛りがあると思うのです。
もちろん根っから組織に身を委ねて楽に人生を過ごしていきたい、という考え方もありだと思います。
ここで少し文章が散漫になってきましたので、もう一度「鶏口となるも牛後となるなかれ」に戻りたいと思います。この知り合いの経営者の生き方も有りだと思ったのです。
日本人と外国人の独立志向の強さの違いを今さら語るつもりもありません。
ただこれだけは言えるのだと思うのです。
若い人にはチャンスがいくらでもあるということです。
そして、後悔しない人生を送って欲しいのです。
人生は一度きりで、急に魔法のように若返ることもできません。
少々無謀だと思えるような行動も有りです。
行ったことのない遥か彼方の土地に旅で出掛ける、ということだけでも十分な価値があります。
大物になれ、とも言いませんし、小さくまとまるな、とも言いません。
ただ、自分の信じた道を歩んで行って欲しい、と思っているだけです。