CEATEC JAPANの変容
アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展である「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン」ですが、今年も今月上〜中旬に開催されました。
筆者は残念ながら見学することができなかったのですが、1日あたりの入場者数は前年比で10%増えて、合計で13万人超の人達が入場したとのレポートも出ています。
今回の特徴(近年の傾向)は、国内の電機大手の多くが出展を見送った点です。
アジア最大級と銘打った割には、当の国内の代表的な企業が出展を見送った点は残念で仕方ありません。
辞退の背景にはそれだけ、彼らにとっての「CEATEC JAPAN」の存在や自社を取り巻く外部環境が変容してきたことが挙げられます。
もちろん、国内の電機大手がグローバル市場で苦戦している点も理由としては見逃せませんが、それだけではありません。
筆者は要因として3つの要素が背景にあると考えます。
まず1点目は、クラウドの進展です。
IBMでさえ、従来からの機器とソフトウェアを一体で提供する主力事業が毎年20%ずつ減少し続けている中、ハード・機器中心の提案が時代にそぐわなくなってきたということ。
2点目は、伝統的な大企業が個人ユーザ向けから企業向けビジネスへの転換を進めてきており、CEATEC JAPANのような派手な舞台でプレゼンするのに材料が物足りないということ。
最後3点目は前述の繰り返しになりますが、相対的にアジアの中での日本が「IT・エレクトロニクス」の分野で占める存在感が中韓の台頭などで他国に取って代わられるようになってきたこと。
実際に今年のCEATEC JAPANでは、海外の有力メーカーの展示が目立っていました。
以上のように国内の電機大手がグローバル市場で置かれている厳しい状況が、CEATEC JAPANという本来はホームアドバンテージを持った舞台でも、縮図として反映されているのだということです。