オルタナティブ・ブログ > 大塚秀樹の“マーケティングマインド”の醸成 >

技術で勝って、商売で負けていませんか?

マーケティング予算の確保はどうして後回しになるのか?

»

marketing01.jpgよくある現象として
特にBtoB関連のビジネスを行っている企業にとって、広告宣伝等に使うマーケティング予算の確保が、後回しになってしまう傾向が往々にしてあります。

予算策定の段階で、例えば製造業であれば生産設備の増強や製品の営業担当や研究部門の人員確保がどうしても優先されてしまうからです。

同じことがやはり法人を中心に商売相手としている商社系や卸業系の企業にも当てはまるのかもしれません。こういった企業に限っていえば、CMO(最高マーケティング責任者)の社内への配置も遅れていることが予想できます。

ちなみに、Fortune500の企業では約半数でCMOが存在していると言われています。翻って国内企業の現状はどうでしょうか?

どうしてマーケティング予算の確保に消極的なのか?
一番に考えられることは、マーケティングに関する意思決定の中でも、プロモーションにどれだけ経費をかけるべきかということは、最も難しいものの1つだとも言われているからです。

どのように予算を見積ればいいのか?
そこで企業がどのようにプロモーション予算を決定するのかという点について、よく使われている4つの方法を以下に列挙してみたいと思います。

  • 支出可能額法
    プロモーションの役割や売上への効果を無視して、あくまで支出可能な範囲内にプロモーション予算を設定する方法。
  • 売上高比率法
    売上の実績または予想金額に対して、一定の比率でプロモーション予算を設定する方法。
    採用している企業も多く、設備投資の予算を決める場合も重宝される手法。
  • 競争者対抗法
    競合他社のプロモーションに関する支出に合わせて、自社の予算を設定する方法。
  • 目標基準法
    特定のプロモーション目標を設定して、その目標達成のために必要なタスクを決定して、そのタスクに必要なコストを算出するという方法。


以上、4つの方法を紹介しましたが、いずれにも一長一短があり、どの方法がベストと決めることもできません。

チャネル支援が弱い、時間の経過に従ってマーケティング・プログラムが大きく変更される、到達しにくい顧客が多い、顧客の意思決定が複雑である、製品が差別化されており顧客ニーズが非同情的である、製品が少量ずつ頻繁に購入される、などのケースによって必要な予算が増える傾向にあり、企業の置かれた状況によってプロモーション予算の算出方法も変わってくるのです。



Comment(0)