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ユニクロのファストリがビッグデータ活用で提携

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data.jpgビッグデータ関連が旬
飛び込んできたばかりなのが、タイトルにあるとおり、ファーストリテイリングが米アクセンチュアとビッグデータ活用で提携した、というニュースです。

内容は2点に分類
1つ目は、世界にある約3000店舗およびネット通販の顧客データを活用して売れ筋の傾向等を詳細に分析・予測を行う、という全社を挙げた商品戦略に活用できる点。

2つ目は、ユーザエクスペリエンスを飛躍的に向上させようとする点。例えば、顧客ごとに過去の買い物履歴より取得した服のサイズ情報を活用して、店舗で試着をしなくても採寸をすることができる、といった具合です。

さらに2020年には、自分の希望の色や柄、サイズや素材までモバイル端末で選んで買い物ができるところまで進めていきます。

ファストリはICT活用に大きく進み出した
ここにきて同社は、例えば洋服にITタグ(センサー)を取り付けて、清算用のレジを通すと一瞬で合計金額を計算してしまう、というシステムの導入への実証実験を手掛けるなど、IT経営、IoT活用に大きく舵を切り出しました。

提携相手に注目
私、大塚がむしろ感心したのは、今回の提携相手がアクセンチュアである点です。
国内のIT分野に強いコンサルティングファームではなく、グローバル市場でビッグネームなアクセンチュアを選んだ、という点です。

アクセンチュアは実力派
同社の社員数は世界で約32万人というだけではなく、ビッグデータ分析で2000社以上の顧客を抱えていることでもわかるように、世界のビッグプレーヤーです。
強みは世界中から案件ごとに最適なパートナーを選び、そこから技術を調達して、同社が組み合わせて提供することができる、というところです。

ある意味では自社開発のオリジナリティが無いようにも見えますが、このスタンスで不動の地位を築いてきました。

アクセンチュアのピエール・ナンテルムCEOの談
「IBMなどは技術については強いでしょう。ただし、業界ごとにIoTをどう活用するかといった専門知識やソリューションの提供では、アクセンチュアが差別化できると考えています。」
IoTが今後20年近くかけて、あらゆる企業と産業を破壊すると説いています。

さらに、ビッグデータ活用で米GEとの間で戦略的提携関係を結んでいます。GEが圧倒的に強い航空機用のエンジン分野で、データを分析することによって予知型の整備サービスを実現するのです。この分野ではGEが単独でサービス提供しているように報じられていますが、実はアクセンチュアの協力があってこそなのです。

「多くの技術や企業を連携させ、デジタル関連サービスを創出する。その際のアーキテクト(建築家)のような位置づけにアクセンチュアはなりたいと考えています。」とも同氏は語っています。

目指すはアクセンチュア
実は弊社の目指す姿がアクセンチュアです。もちろん会社の規模は違いますが、グローバルに活躍している姿は目標であり、上記のようなCEOの考え方には共感を覚えているからです。

最後はこういうcontextでクロージングを迎えました。





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