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奇跡の業界とは?

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department-store.jpgなるほどと思い、筆者が唸った表現があります。

それが本日のタイトルである「奇跡の業界」のことであり、具体的にはどの業界のことかと言えば、「デパート」業界のことです。

日経MJに掲載された、伊藤元重東大教授の寄稿文にあった表現です。

どうして、デパートを奇跡の業界と言うのでしょうか?
それは同業界が2度、3度といった消滅の危機を迎えながら、その都度、奇跡の復活を遂げてきたからです。

最初は、ダイエーの登場を契機とした、エブリディロープライス型の店舗が国内初登場した時代の頃です。

2つ目が、郊外型の巨大なショッピング施設が次々と登場して、マイカーで家族揃ってまとめ買いをする時代の到来によって、駅前立地型のデパートが存亡の危機に立たされたことです。

3つ目は、ショールーミングを始めとした、ネットショッピングの浸透です。

これらのいずれの到来期(最後の3つ目はいまだに影響を受けていますが)においても、デパート不要論が渦巻きました。

ところが、最近で言えばアベノミクスによる資産効果で、デパートの宝飾品を中心とした高額商品が一部の富裕層によって飛ぶように売れたことです。

さらに直近では、中国からの旅行者を始めとした、日本への外国人の旅行者の爆買いです。もちろん、背景には免税対象商品の拡充や店舗内での一括手続きの導入効果などがあります。

以上のようにデパートが苦境に陥っては、救世主的な事象が発生して、今でも存在感を放っているという訳です。

それにしても、今後のデパートはどのように変化していくのでしょうか?

すでに最近の改装によって、ある程度の答えを出しつつある店舗もあるようです。
簡単に言及すれば、「滞在型」「体験型」の機能に注力した店舗の導入です。

筆者にとっても、興味のあるテーマの1つと言えるのかもしれません。



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