コンビニ業界とシステム投資
ファミリーマートとサークルKサンクスが統合する方向で同意し、両者の本格的な話し合いも始まっています。
統合が実現すれば、店舗数でローソンを抜いて業界2位に躍り出ることが確実で、次の業界再編への動き、特にローソンの次の一手に自然に注目が集まっていきます。
企業規模が拡大し、組織が広がっていくと必然的に検討課題として上がってくるのが、システム投資です。
現代はシステム投資の優劣が経営成績に直結する、と言っても言い過ぎではないくらい重要な項目であると言えます。
ただシステムの導入・活用度合いは、どうしても米国の企業に比べてまだまだ遅れが目立つ、ということが明白であり、及び腰なところがあることも事実です。
そういう点では、コンビニ業界におけるシステム導入・活用は国内の全業種の中でも積極的であり、大いに参考にしたいところです。
コンビニにおける最重要指標である平均日販による成績(14.3〜11月期)を見ると、1位がセブンイレブンで66万円、2位がローソンで54万円、3位がファミリーマートで51万円、4位がサークルKサンクスで43万円となっています。
各社とも同じような戦略を持って、消費者を呼び込もうと日夜努力しているように見えますが、どうしてこんなにも差がついているのでしょうか?言い換えれば1位のセブンイレブンはなぜ強いのでしょうか?
この疑問を説明する1つの要素が、システム投資への力の入れようです。
14年度で見ると、セブンイレブンは1450億円を投資しました。一方、ファミリーマートは1223億円です。
これを店舗数で割ると、セブンイレブンが828万円でファミリーマートが1068万円です。
実はシステム投資ほど規模のメリットが出やすいモノはあまりありません(他にもありますが)。割り算の世界なのです。
1位のセブンイレブンは、規模のメリットを活かした大きなシステム投資を行っており、そこから得られる貴重な日販データをうまく活用して、商品の開発や陳列に活かしているのです。
2位以下のコンビニとは差がついても当たり前だという訳です。