AI(人口知能)が持たらすもの
映画の世界では、1900年代の後半以降で早くも予測していた未来の地球の姿が、1つ1つゆっくり実現しつつあることに驚かされるのと同時に、人類の技術の進歩が確実であることが頼もしくもあります。
IoTもそうですが、5〜10年後でさえ、すっかり世の中の風景は変わっているのかもしれないとさえ、思えるようになってきたのです。
今回は、ある意味、冒頭の映画の世界に最も近づくために絶対に必要なハイテクノロジーであるAI(人口知能)について、少し興味深いおはなしになれば幸いです。
筆者は、近年のAI分野の研究の成果により、その進歩はひと昔前より数段上のレベルに到達しつつあり、目覚ましい進歩を遂げていると感じています。
以前にあった、コンピュターならではの思考構造における問題点に対して、別のアプローチによって険しかった峠を越えつつあるということです。
一方で、AIについては無限の可能性があるだけに、人間の行う単純な労働作業を中心にして仕事を奪ってしまう、という懸念は以前よりありましたが、それよりもっと深く大きな悪影響を人類に対して与える危険性について警笛を鳴らしている有識者たちが存在していることも事実です。代表例ではマイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏などがそうです。
以前の拙ブログでも少しだけ書きましたが、AIなどの次世代型ハイテクの広がりによって、我々人間の仕事はどのような影響を受けるのか、という点は大いに気になるところです。
今後求められる専門分野という点では、米マイクロソフトリサーチのエリック・ホービッツ氏が日経ビジネスの誌面で興味深い意見を述べていましたので、ご紹介したいと思います。
同氏によれば、現在の各企業が競うように採用していて、専攻を選ぶ学生側の人気も再び高まってきている技術系の人材は不要だといいます。ゼロとはいいませんが、ごく少数のトップエリートの技術人材だけが必要だと説いています。
なぜなら科学研究の最重要部分はAIが担うようになるからです。
それよりむしろこれから育成すべき人材は、構想力や対人スキルに優れた人材だ、と続けているのです。
大学教育について言及すれば、就職のために、という目的に偏ることによって増える就職予備校的な教育内容はやはりむしろAIに代替されてしまうのであり、それよりも大学でしかじっくり学ぶことのできない学問であるリベラルアーツをしっかり学び、コンピュターに決して取って代わられることのないスキルである、人間らしい思いやりや優しさ、感性などの柔らかい思考を磨き上げることこそが、新時代に求められることなのかもしれないのです。