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【小ネタ】カメラを止めるなの作り方、あるいはプロジェクトの立ち上げ方

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「赤坂ナイト」といって、オフィスで水曜夜にちょっとしたイベントをやることが多いのだが、今週は「カメラを止めるな」のDVD特典映像鑑賞会だった。本編ではなく特典映像の方、というのはウチに数名マニアがいるからだ。で、メイキング映像で面白かったのは、脚本を完成させる前に「映画を3時間で作ってみよう」というWorkShopを出演者ほぼ全員でやっていたこと。

「カメラを止めるな」はドラマを作る映画なので、役者がカメラマン、監督、音声、助手・・を演じるので、それをまずは体験する、という目的もあるのだと思うが、それ以上にチームビルディングの意味合いが大きそう。
つまり何ヶ月もかけてガチで1つの映画を作る前に、同じチームでちょっとやってみる。そうしていく中で、それぞれの性格や能力もわかるし、うまくいかないことも洗い出される。本格的にクランクインした後では致命傷になるような問題は、早めに洗い出したほうが良い。この映画の場合は、ワークショップの結果を受けて配役を決定したり、台本も書き直したみたいだ。

3時間かけてミニ映像を作った後、輪になって反省会をする。
「こういう役作りで望んだつもりだったが・・」
「全員が監督みたいになっていたので・・」
のように、率直に意見交換しながら、少しずつチームワークを良くしていく。
そしてワークショップ後の飲み会では意気込みを語り合う。
鑑賞会を企画した社員によると、最近ではこういうワークショップをやってから映画を作り始めるのが少しずつ広まり始めたらしい。


この光景を見て、一番似ていると思ったのは、僕らがお客さんとプロジェクトを立ち上げる時にやる1泊2日の合宿の光景だ。
・そもそも何をやりたいのか?
・誰がどういう正確なのか?
・一緒に働くとどんなシナジー(または軋轢)が生まれるのか
などが、2日間一緒に過ごすとよく分かる。
2日目の夕方に反省会をしながら今後のチームワークの改善点を探ったり、飲み会で気炎を上げたりするところもそっくりだ。あの高揚感、やめられません。

今朝もあるお客さんとプロジェクトの立ち上げ方について議論したのだけれども、役職が上になればなるほど、「最新の技術を使ってどこもやったことないような施策をやる」みたいなことよりも、「組織の全員が前のめりになり、自分ごととして取り組めるようなプロジェクトにどうやったら引き上げられるか?」を気にしている。今日話した方は「ぶっちゃけ、アイディアなんか期待していない。大事なのは自主性!」と言い切っていた。

映画を作るのだって、脚本があり、1人の演出家(監督)がいて、一見トップダウンのプロジェクトに見える。でも、本当にいいもの、新しいものを作るためには、参加する全員が前のめりで、局地戦で最善を尽くす必要があるのだろう。実際にできた「カメラを止めるな」はそういう映画だし、それは見た人がみな感じることだろう。

映画だってそうなのだから、変革プロジェクトはもっとそうだ。だから僕らはプロジェクト立ち上げ合宿をやり、全員にとって自分ごとのプロジェクトにすることにこだわるのだ。役員が命令すればプロジェクトが始まると思ったら大間違い。

おまけでもう一つ。監督がヘルメットにGo Proつけてメイキング映像にしていた。僕らもプロジェクト中に写真をよく取り、節目節目で振り返るための映像にする。でも動画はあまり使っていないので、一回プロジェクト立ち上げ合宿にGoProつけて臨んだら面白いかも。かなり変人に見えるけれども。

Comment(1)

コメント

iso

>「組織の全員が前のめりになり、自分ごととして取り組めるようなプロジェクトにどうやったら引き上げられるか?」

ぶっちゃけこれがない職場にどれだけ素晴らしいシステムを導入したところで、全然運用をうまくこなせないんですよね。
で、そういう職場にカンフル剤的に情シス要員を外部から雇ったところで、組織の上位からの支援なしには何もできない。むしろ張り切れば張り切るだけ白眼視されて最後は「職場の協調性がない」と閑職へ。
そういう職場でも役職が上の人は「新たなソリューションよりも人が動かない」ことが問題だと大体理解してるので、外から雇われた情シス要員は上から言われるまで無理にあがかないほうがいいですよ。

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