HTML5ガイドブックの感想
Google API Expertの方々が解説したHTML5のガイドブックです。
各種サンプルがAPIのサンプルだけではなく、ちょっとしたテクニックが随所にちりばめられています。以下が私が学んだところです。
・tableの各セルのデータの取り出しかたってtBodiesで取り出せば良いんだ
・SVGのrotateって、回転ポイント(x/y座標)を指定できるだ
・polylineで線を閉じると見た目が悪いのはpolygon使えば良いんだ
・ドラッグ&ドロップAPIってこんなに少なく済むんだ
・オフラインWEBアプリってGearsが元になっていると思うけど同じだな
・Web Workersのスクリプトファイルを読み込むimportScriptsって知らなかった
・Web Workersのログを出力させる方法は真似したい(Web Workers先のスクリプトはデバッグできないので)
・Native JSONのメソッドを覚えよう
WEB上で上記の情報は転がっているでしょう。ですが、一箇所にまとまって説明しているところは余りありません(それも日本語で)。このため、まとめられた本は非常に助かります。
各APIのサポートしているブラウザが記載されていますが、あまりにもサポート率に愕然としました。例えば、File APIは今までFirefox 3.6のみでした(Chrome 6からはサポート)。また、Web SocketはChromeとSafariしかサポートしていません。
MicrosoftがIE 9でHTML5をサポートすることを明言したときは、これで一気に普及するかと思ったのですが、そうは簡単ではないですね。こればかりは、しばらくかかりそうですがせめて2011年には主要なAPIは5大ブラウザはサポートしてほしいです。
http://www.html5test.com/でチェック(IE 8をチェックしないのは結果がひどすぎるため)をすると以下の様になっています。
ブラウザ | score |
IE 9 beta | 96 |
Chrome 6.0.472.62 | 217 |
Firefox 3.6.10 | 139 |
Opera 10.62 | 159 |
Safari 5.0.2 | 207 |
stable版でこの結果です。ここまで違うとすぐには新しいAPIを使用するのは難しいですね。
また、2010年8月時点でのブラウザバージョンシェアです。
HTML5普及に最も大きな障害ははIE 6/8でしょうか(IE 7は結構はやくフェードアウトするのでは?)。IE 9が出るといってもすぐにIE系はリプレイスされるわけではありません(Chromeはすぐに世代交代してしまう)。IE 6は企業内アプリとして使用されているのでなかなかなくなることは難しいです。IEはOSとくっつているため、ちょっと難しいですね。
HTML5の普及には、IE 9以降でもっとAPIをサポートされることと、IE 6~8のシェアが早く落ちるところでしょうか。
【本】
・"採用は2秒で決まる!"の感想
・"iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう"の感想
・Googleクラウドの核心の感想
・大規模サービス技術入門の感想
・HTML5&API 入門の感想