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SPECcpu2006の推移(2006.7~2010.4)

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2010.2~3にXeon 56xx、Xeon 75xx、POWER7、Itanium 93xx、Opteron 61xx等多くのサーバ向けCPUが発表されました。そこで、SPECcpu2006でベンチ性能がどのように推移していったかCPUメーカ毎に調べてみました。また、2006半ばから発表されたCPUも表にしてみました。

■SPECint_rate_base2006 2way

■SPECint_rate_base2006 4way

■SPECfp_rate_base2006 2way

■SPECfp_rate_base2006 4way

■CPU発表

CPU
開発コード
出荷
プロセスルール(nm)
トランジスタ数(M)
コア数
ダイサイズ(平方mm)
Xeon 51xx
Woodcrest
2006/6
65
291
2
142
Itanium 9000
Montecito
2006/7
90
1,720
2
580
Opteron x2xx
Santa Ana
2006/8
90
227
2
220
Xeon 53xx
Clovertown
2006/11
65
582
4
284
SPARC64 VI
Olympus-C
2007/4
90
540
2
442
POWER6
POWER6
2007/5
65
789
2
341
UltraSPARC T2
Niagara 2
2007/8
65
503
8
342
Xeon 73xx
Tigerton
2007/9
65
582
4
284
Opteron x3xx
Barcelona
2007/9
65
463
4
283
Itanium 91xx
Montvale
2007/10
90
1,720
2
580
Xeon 54xx
Harpertown
2007/11
45
820
4
214
UltraSPARC T2 Plus
Victoria Falls
2008/3
65
503
8
342
SPARC64 VII
Jupiter
2008/7
65
600
4
445
Xeon 74xx
Dunnington
2008/9
45
1,900
6
503
Opteron x3xx
Shanghai
2008/11
45
705
4
243
Xeon 55xx
Nehalem-EP
2009/3
45
751
4
263
Opteron x4xx
Istanbul
2009/3
45
904
6
346
POWER7
POWER7
2010/2
45
1,200
8
567
Xeon 56xx
Westmere-EP
2010/3
32
1,170
6
240
Xeon 75xx
Nehalem-EX
2010/3
45
2,300
8
6xx
Itanium 93xx
Tukwila
2010/3
65
2,050
4
700
Opteron 61xx
Magny-Cours
2010/3
45
1,808
12
692

Intelは、2006年に65nmプロセスに移行を始めて、2010年には32nmに移行し始めています。他のメーカ同期間で90→65→45nmとIntelに少し遅れながらもプロセスルールを微細化しています。この間コア数を2、4、6、8(12)とムーアの法則のとおりに増やしてきました。性能もプロセスルールの進化どおり向上しています。

現状IBMのPOWER7は1CPUソケットにCPUチップを4つ搭載する化け物的にな使い方ができるため、圧倒的な性能を出していますがコストパフォーマンスを考えるとそれほど突出しているわけではないでしょう。

AMDのダイサイズは200平方mmを超える程度ででしたが、2つのCPUチップをMCMで1つのソケットに入れる方式を採用して、ダイサイズ的には非常に大きなサイズになっています。Intelのビックチップ(Nehalem-EX/Tukwila)と戦うためにはこの程度のサイズは必要なのでしょう。

ただし、IntelにしろAMDにしろ4コアの次は8ではなく6コアを途中ではさんでいます。それだけ微細化しても純粋に半分にならないのでしょう。6コアの次は8コアが登場する(既に登場していますが)ことになるでしょうが、その次はどうなるのでしょうか。今のところロードマップ上に10コアと言う文字は見たことがありませんが。

サーバ向けCPUアーキテクチャは、x86(Xeon/Opteron)、IA-64(Itanium)、POWER、SPARCの4つがメインに使用されてきました。SPECcpu2006にはこれ以外は採用されていません。Itaniumは、そろそろIntelのやる気が見なくなってきていることとXeonにRAS機能搭載、RedHat、Microsoftからサポート終了をアナウンス等がありフェーズアウトし始めた感じします。

また、「iPad開発チームが参加するAgnilux社をグーグルが買収、ARM採用サーバーの開発が目的か」とか「AppleがARMを買収?」等の妄想をかきたてられる買収ねたがにぎやかになってきました。もしかするとサーバ向けアーキテクチャに新しい仲間が参加するかも知れません。最近は絶対性能だけではなく電力あたりの性能も重要な項目のためARMがサーバに採用されるのは妄想で終わらないのではないかと推測しています。

【SPEC関連】
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