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ビジネスとお父さん業のスキルを向上するIT活用術

なぜ、カフェでのWeb会議やスマホ通話が周囲の人をイライラさせてしまうのか?

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「もう、うるさくてテレビが聞こえない~!」

「ビデオ会議は寝室でやってくれない?掃除できないし、部屋干しが映っちゃうんだけど~!」

 在宅勤務を開始して、そろそろ2か月。

 毎日4、5回のWeb会議を行っているので、妻や子だちからすると邪魔でしょうがないようだ。

 ということで、昼は自粛対象外のカフェに行ってWeb会議に参加することを検討してみた。しかしSNSなどの書き込みを見てみると、

「カフェでビデオチャット(Web会議)している人がいた。イライラする」

「最近、パソコンから会議に参加している人が増えたが、迷惑」

「かっこつけてるつもりだろうが、うるさいし、情報ダダ漏れでカッコ悪い」

「飲食店や電車内では、電話をしないのがマナー」

などと、どうもカフェでWeb会議することの評判は悪い。

 カフェは本来、人が語らうための場所なのだから、適切な声の大きさであれば、Web会議や電話で会話しても問題ないはずだし、近い話としては、

電車の中でも、シルバーシート付近を除けば電話しても良さそうなものだ。

 しかし、カフェや電車でWeb会議や電話で話していると、なぜか人をイライラさせてしまうのである。 


<会話が片方だけしか聞こえないことの問題>

 カフェや電車内で、人と人が会話していても、声が大きすぎない限り、周りの人にうるさいと感じさせないようだが、これが携帯電話となると、同じぐらいの声の大きさでも、間髪入れずに鋭い視線が飛んでくる。

 なぜWeb会議やスマホで会話すると、周りの人を不快にさせるのだろう。

理由のひとつは、

「会話の半分(不完全な情報)が耳に入ってきた時、無意識のうちに、

 空白を埋めようとして詮索したり、

 情報が完全になるのを待ち望んだりして、

 集中力を奪われる」

ことにありそうだ。携帯電話をつかいはじめたのは15年ぐらい前だが、電車内で携帯電話で通話することが大きな問題になってきた10年前に以下の記事が拡散された。

Why Cellphone Talkers Are So Grating (WIRED)   https://www.wired.com/2010/09/why-cell-phone-talkers-are-so-grating/

,,,,,,. Cellphone users irritate so mightily because their background chatter forcibly yanks listeners' attention away from whatever they're doing, says psychology graduate student Lauren Emberson of Cornell University. Overhearing someone spewing intermittent exclamations into a handheld gadget lacks the predictability of hearing a two-way exchange and thus proves inherently unsettling, Emberson and her colleagues report in an upcoming Psychological Science. ,,,,,,,,,,,

 カフェでWeb会議をしていて、何かを話しかけたり、質問したりしたすると、

周囲で本を読んでいたり、物思いにふけっていたり、誰かと会話したりしている人の脳に

「不完全な情報=会話の半分」を放り込むことになり、

その人たちの脳が、情報が完全になるのを待ち望むが、なかなか完全にならないために集中できなくなり、イライラさせてしまうのである。これは理性でコントロールできないものだ。


<会話がわかるように相手の声もパソコンやスマホのスピーカーで流したら>

 では、Web会議やスマホでの会話の時に、相手の声をPCやスマホのスピーカーから流すようにすれば、両方の話が聞こえて情報が完全になるので、まわりの人をイライラさせないのではないかという疑問が湧いてくる。

これであれば、カフェで普通に会話している人と同じはずである。

しかし、相手の会話をパソコンやスマホのスピーカーで流すのは、周りに不快感を与える

ようだ。

 皆さんも、近くの人がパソコンやスマホで見ている映画や音楽の音量が、テレビより大きく耳障りに感じたことがあるのではないだろうか。

 限られたスペースに収められているスマホやパソコンのスピーカーはで、音声や音楽を、クリアで、はっきりと印象的でインパクトがあるようにするために

「プレゼンスゾーン(表現力のある周波数帯)」という、比較的高い周波数帯(2.5kHz~5kHz)を強調

してある。

4kHz以上の周波数の高い音(ドラムのハイハットやシンバルのシャカシャカシャカ!チン!キン!)は、音量を下げても他の音より目立って、実際の音量より、かなり大きな音に感じる。 

高音が強調された最も極端な例は、イヤホンからの「音漏れ」だろう。中低音が耳の中で完全に消えて、高音のみが漏れるため、

小さな音でも「不完全な高音が大きな音量感じ、周辺の人に不快感を与える」のである。

また、プレゼンスゾーンを強調した音を、少し離れた場所や長い時間聴くと、耳障りに感じることが多い。

プレゼンスゾーンは、料理では「おかず」や「スパイス」や、和菓子の「あんこ」に例えられる。主食である中音(0.14kHzから4kHZのボーカルやピアノ)とのバランスが悪いと、しつこく感じたり飽きたりするのと同じだ。

Web会議の参加者全員の音声を、パソコンやスマホのスピーカーで、カフェの中で流したとしても、スピーカーの特性により、不快感をあたえてしまうため、解決策にはならない。


<音源を正確に反映できる高性能スピーカーをつけて相手の音声を流したら>

 ここまできたら、もう一歩考えてみよう。

 カフェでのWeb会議で、

「音源そのままにリアルに表現できる高性能スピーカーをパソコンに接続」

したら、周りの人を不快にしないですむかどうかを考えてみたい。

 結果は「Out」だろう。

・そんな巨大なスピーカーを持ち込むことができない

・仮に持ち込めても、まわりの人から不審に思われて不快にさせる (面白がってくれる人もいるだろうが)

・相手のマイクが悪いため、その時点で音質が悪くなる

・仮に超高性能マイクを使ってもらったとしても、ネットワーク速度と音声データーの圧縮により音声品質が落ちる

からである。


 ここに書いた以外にも、いろいろと考えてみたが、結論としては、

「何をやっても、Web会議やスマホでの会議参加は、周りの人をイライラさせる」

である。

 妻や子供に、ぶつぶつ言われながらも、なんとか理解を得て、少しでも良好なリモート会議環境を家の中に作るように努力するしかないようだ。


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