オンラインプレゼン/会議を成功させる「5S」(サポーター、スポークスマン、スクランブル編)
前回は、
「5S」を使って、オンライン会議での客先プレゼンの成功率をあげよう(1)スピーディ&シンプル編
で、その基本である
①スピーディ (Speedy)
②シンプル (Simple)
を説明したが、
今回は、訪問対面に勝るオンラインならではの効果を発揮する
③サポーター(Supporter)
④スポークスマン (Spokesman)
⑤スクランブル (Scramble)
をご紹介したい。
③ サポーター(Supporter)
商談において最大のサポーターとなるのは、「上司」だ。
オンラインプレゼンテーションやディスカッション前に部長、事業部長、役員、社長が登場する事は、
「あなた/この案件を、当社では重要だと感じている」
ことを伝えることになる。
会社の上司は、最初の挨拶だけして
「残念ですが、本日は他の予定があって失礼しますが、、、」
などと言って抜けることも可能なので、
上司は、訪問の時に比べて、訪問型の時の何倍ものお客様に顔を出すことができる。
この上司のオンライン会議、プレゼンへの参加は、商談の成功率を高めるだけではない。
営業やPMが、活発にお客様とコミュニケーションをとっていることを「上司が」知ることができ上下のコミュニケーション、信頼関係、協力関係の強化に役立つのだ。
(リモートワークになって、メンバーの動きが見えない。働いてないように感じると、不信感を持っている上司が非常に増えている)
④ スポークスマン (Spokesman)
スポークスマン/スポークスパーソンとは、代弁者である。
会社やサービス、商品の良さを、第三者に代弁してもらうことは、自分で語るよりも何倍も効果がある。
オンラインであれば、東京の企業向けのオンラインプレゼンテーションに、大阪や北海道、場合によってはニューヨークやパリの事例ユーザーに参加していただくことも可能だ。
良い話ばかりではなく、
・苦労話
・どのように解決したか
・構築、導入を成功させるための現場レベルのアドバイス
・経営目線での実際の効果
・どのように凛儀を通したか
など、生々しい事を語ってもらう方が効果が高いだろう。
また、Q&Aの時間もとても重要である。事例ユーザーには想定質問を送っていおくと良いだろう。
以前は、
・客先に事例ユーザーに同行してもらう
・ユーザー企業見学にお客様を連れて行く
ことを実施していたが、移動時間を含めた時間調整や費用、入館手続きなどを考えると、自分にも、お客様、事例ユーザーにも大きな負担となっていた。
事例ユーザーの登場は、オンラインプレゼンの大きなアドバンテージなのでぜひ実施して欲しい。
蛇足だが、事例ユーザーとして協力いただいた方への丁寧なお礼も忘れないように。
⑤ スクランブル (Scramble)
スクランブルとは、
・自分の知識分野以外への質問への対応
・想定していなかった質問への回答
・オブジェクションハンドリング(異論、反論への対応)
・自分の権限の範囲外の緊急判断
が必要な時に、その分野の「高度な専門技術」や「承認権限」を持つ人をオンラン会議に呼び出して、リモートで「緊急対応」してもらう事である。
訪問対面の時には、対応が必要な可能性のある人を片っ端から客先に連れて行って対応していたため、出番のあるなしに関わらず、営業、技術者、営業支援、上司などをゾロゾロと連れて行くSI会社が多かったが、オンラインでは少ない工数で、高いクオリティの回答、対応ができるようになるのだ。
対応の必要性が高い分野の技術者や承認権限を持つ人にオンライン会議に入っておいていただくという方法(出番が来るまでは、別な仕事をしていても良い)もあるが、
可能性の低い分野に関しては、オンライン会議に入らずに、自宅やオフィスで仕事してもらいながら、待機してもらうのも良いだろう。
また、まったく予想もしなかった対応を迫られた場合には、チャットなどで確認して、参加してもらっても良いだろう。
このように必要に応じて、呼び出してオンライン会議に入ってもらうと、お客様に
・技術者、タレントの層の厚さ
・素早く柔軟な対応力
・ITの使いこなしている専門家集団というイメージ
を感じていただけ、信頼性が上がるはずだ。
今回紹介した「サポーター、スポークスマン、スクランブル編」を読んで気がついた方も多いだろうが、結局は、知識、経験、権限をもつ
「人」
を有効に活用できるのが、オンライン会議成功のポイントである。
責任者、専門家、経験者に語ってもらうことは、
お客様にとって非常に有用で価値があり、だからこそプレゼンテーションの成功率が上がるのだ。
2週間後などと言わず、スピード感を持って数日でプレゼンの場をセットして、
ポイントを絞ってシンプルでスピーディにプレゼンを進行させ
お客様にとって価値のある「人」にダイナミックに登場してもらう
ことで、プレゼンテーションの成功率は飛躍的に上がることだろう。
また、あなたの競合会社が、「5S」を使ったプレゼンテーションを始めてることを念頭において、早くこれらを実践することをお薦めしたい。