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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

どの教科でプログラミング教育は行われているのか?

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情報教育に関するさまざまな取り組みをされている望月陽一郎 先生に、今シリーズでは「GIGAスクール時代のプログラミング教育は?」というテーマについてお話を伺いたいと思います。第2回目では「どの教科でプログラミング教育は行われているのか」についてお聞きします。

【望月先生 プロフィール】

大分県立芸術文化短期大学非常勤講師。Forbes Japan電子版オフィシャルコラムニスト。公立中学校理科教諭(理科)・大分県教育センター指導主事(情報教育)・大分県主幹等を経験されています。プログラミング関係では、自作の「micro:bit『サンプルプログラミング集』」をサイトにて公開されています。

望月陽一郎 個人サイト:http://mochizuki.net/

●どの教科でプログラミング教育は行われているのか

―前回のインタビューでは、全国の先生方にアンケート調査「GIGAスクール端末を用いたプログラミング教育について」をされたとのことで、「学校でよく使われているプログラミング教材」についてお伺いました。

  • Scratch
  • micro:bit
  • Viscuit(ビスケット)

が多いことや、「よく使われている教材は、事例も多い」という話を伺いました。

高校では2022年4月から必履修となった「情報Ⅰ」の授業が開始されましたが、小学校や中学校ではどのような教科でプログラミング教育が行われているのでしょうか?

望月先生:アンケートの回答を見ると、

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「プログラミング教育を行っている教科等(複数回答)」

 ・・・算数、数学
 ・・・理科
 ・・・総合的な学習の時間
 ・・・特別活動
 ・・・技術・家庭科

などが多いようです。

以前、中学校のプログラミング教育について伺った際(情報が始まる前)、中学校では「技術・家庭科」でプログラミング教育が必修だと伺いました。

参考: 中学校技術・家庭科(技術分野)内容「D 情報の技術」 文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00617.html

参考:家庭科におけるプログラミング教育への取り組み 東京書籍
https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/shou/katei/data/katei_programming.pdf

「プログラミング教育を行っている場合、どの教科でプログラミング教育を行っているか(複数回答あり)」という質問では、「算数・数学」と「理科」が飛び抜けて多く、「技術・家庭科」は「算数・数学」や「理科」の半数程度ですね。

望月先生:回答者の半数以上は小学校の先生で、中学校「技術・家庭科」の先生は回答者の中で少ないはずですが、それでもこれだけ回答数が多いのは教科で必修だからです。

―前年度の結果との比較も見せていただきましたが、「総合的な学習(探求)の時間」でのプログラミング教育の比率が下がっていました。何か原因があるのでしょうか?

望月先生:逆にいうと、教科での取組が増えたといえますね。

教科の中では「国語」や「社会」より「生活(小学校低学年の教科)」の回答数が多くなっています。回答者中の小学校の先生でも低学年を担当している先生ばかりではありませんから、低学年からプログラミング教育に取り組んでいる例はかなり多いのだろうと思います。

―なるほど。「生活」の回答数が多いということは低学年からプログラミングに取り組んでいる証ということなのですね。見落としていた点なので、ご指摘くださってありがたいです。

―また、「総合的な学習(探求)の時間」での活用が多いですが、私の学生時代にはなかった教科なので、どのように使われているのか教えてくださいますか?

望月先生:教科書というものがあるわけではないので、学校・学年等で取組に違いがあると思います。教科を横断(教科で学んできたことを活用して)したり、教科だけではなかなかできない応用的な学びに取り組んだりすることができる時間と私はとらえています。

―教えてくださり、ありがとうございます。

―また、プログラミングとは少し離れますが、「道徳」の授業というと教科書やDVDの事例をもとにディスカッションするイメージがあって、端末を使うイメージがわかなかいのですが、端末をどのように活用されているのでしょうか?

望月先生:ディスカッションで意見を出したり立場を明らかにしたりする際、端末からGoogle Jamboard などのツールで書き込ませると、みんなの考えが一覧できて見やすくなりますね。

なるほど。そのように活用すると確かに便利ですね。
―上記の状況を踏まえた上で、さらにご質問したいことがあります。

 2013年の日経X techの記事では、世界的に活躍する小学生プログラマ3人の活躍が紹介されていました。

参考: 作品数百本、プロコン優勝---世界に羽ばたく小学生プログラマ3人に聞く「楽しさ」「将来の夢」
https://xtech.nikkei.com/it/article/Interview/20130218/456961/

GIGAスクール端末の普及が進んだり高校で「情報Ⅰ」の授業が開始されたりして、教育現場の状況はこの記事の当時とは変わったと思うのですが、どのようなところが大きく変わったと思いますか?

望月先生:当時と比較すると、小学校でプログラミング教育が「必修」となりましたし、GIGAスクール構想で一人一台端末が配備されたことで、コンピュータ室に行かなくても、今ではどこでもいつでもプログラミングに取り組むことができるようになりました。

―ありがとうございます。私見ですが、2013年頃と較べると小学生を対象にしたプログラミングスクールや経営塾等、民間企業の教育も広がってきたのではないかと思います。民間の教育機関について望月先生はどのようにお感じでしょうか。

望月先生:私も「民間のプログラミング教室」や一般の講座で教えた経験があります。そういった「場」が増えたことで、興味関心を持つ子供が増え、子供に力をつけさせたい保護者も増えていると思います。

―色々とご回答をありがとうございます。今回、どのような教科でプログラミング教育は行われているのかについて伺いましたが、プログラミング教育が行われている教科としては、

  • 算数、数学
  • 理科
  • 総合的な学習の時間
  • 特別活動
  • 技術・家庭科

などが多いことがわかりました。

―最後に、教科でプログラミングを教えることについて、望月先生が特に気になっている点はありますか?

望月先生:小学校は全教科を含めて必修なのですが、中学校は「技術・家庭科」に集中してしまっています。教科が限定されることで、子どもたちがプログラミングに触れる機会が減ることが心配ですね。もっと他教科の先生方も授業に取り入れてみてほしいものです。

―なるほど。そのような心配はありますね。多くの先生方が取り入れてみるとよいですね。しかし、現場の先生方はプログラミング教育を専門的に学ばれた方だけではないでしょうし、研修を受講する時間や予算の問題もあると思います。先生方は各教科でご苦労されていることとご推察します。望月先生、貴重なお話をありがとうございました。

次回は「先生方のプログラミング教育への取り組み」をテーマにしてお話を伺えればと思います。望月先生、この記事をお読みくださった皆様、ありがとうございました。

>>「先生方のプログラミング教育への取り組みは?」に続く(2023年4月公開予定)

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