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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

【講演レポ】本田律さんによる「小中学生のキャリア教育の現状と実践事例の紹介」

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先日、JCDA(日本キャリア開発協会)のG1研究会(開催日:2017年2月25日)に参加しました。講演の題目は、「小中学生のキャリア教育の現状と実践事例の紹介」(講師は本田律 先生)でした。

[アジェンダ]

  1. 小中学生のキャリア教育の現状
  2. キーパーソン21の現状
  3. グループワーク
  4. 私の具体的な活動紹介と今後の展望
  5. 具体的な活動事例紹介 <大学生会員による講演>

講師をされた本田律さん のご厚意により、"先生がお話しになった部分"をブログでご紹介できることになりました。大変ありがとうございました。 ユーモアもふくめたわかりやすいお話ぶりは、「関西人の本領発揮! 」という面白い内容でした。文章だと"間"が表現できないのが残念です。

今回は講師の本田律さんが取り組んでいるキャリア教育のNPO活動をご紹介します。以下、講演内容です。

【小中学生のキャリア教育の現状と実践事例の紹介】

この記事では、あえて本田先生のお話をまとめた"講義メモ"に近い形式でご紹介しました。先生のお話が素晴らしかったので、なるべく私の主観を入れたくなかったからです。先生のお話と私の区別がつくように、以下のルールで書くようにしました。よろしくお願いいたします。

[表記について]
※本田先生が話した内容・板書したものは()なしで表記。
※()で括ったのは、意味が通りやすいように片岡が"補足追加"した部分です。
※見出しと[参考]のURLは、片岡が追加した部分です。
※片岡が書いた文章の部分と、講義メモの部分で文体が違います。恐れ入ります。

それでは、いよいよ講演内容のご紹介に入りますね。

●今を生きる子どもたちに、大人が今できることは?

[お話の要点]

本田先生:子どもたちの内発的な所(=意欲を高める)を重視している。

【朝山あつこさん(主婦)の体験】

  1. 長男の学校が学級崩壊
  2. 長男は「学校に行かない」と言い出した
  3. 高校に行かないという選択肢があることに、母親として驚いた
    ※自分の経験では、高校に行き、大学に行き、会社に就職するのが当たり前だった。
  4. 息子が高校に行かないと行ったことをきっかけに、子どもたちの「動き出さずにはいられないエンジンを発見したい」と思った
  5. 子どもたちに夢と職業意識を運びたいと思い、NPOキーパーソン21を設立

認定特定非営利活動法人キーパーソン21(本田先生は理事)では、「子どもたちひとりひとりが個性や多様性を認め合い、自信を持って自分らしく生きる力を持てる」ように、以下のプロセスを大事にしている。

「自分を知る」→ ○「社会を知る」→ 「自立する」力
※(ベースは)自分のわくわくエンジンを知ること。

●"わくわくエンジン"って何なのか?

[お話の要点]

キーパーソン21の定義:
「わくわくエンジン」
=わくわくして動き出さずにはいられない原動力のようなもの

本田先生:
「わくわくエンジン」=子どもたちの意欲を高めるもの
(いわゆる「やる気スイッチ」のイメージ? )

例:同じ野球でも、わくわくする理由は人によって違う
Aくん 作戦を立てたい
Bくん チームで何かを達成したい
Cくん 素振りなどを練習して、成長することが好き

●子どもたちに"わくわくエンジン"って言う前に、そもそも大人はどうよ?

[お話の要点]

大人がキーパーソン21のファシリテーター養成講座に参加する

自分を知る

(子どもたち)一人一人を認めるという行為(につながる)

(子どもたちが)自然と動き出す

自分に感動する

キーパーソン21では、
・行政がカバーできないところをやる
・第三の大人がいる場所づくり
(家族や学校の先生以外の第三者)
・丁寧な学力向上の取り組み
・(子どもたちが)自分を信じる力を育てる

という取り組みを行っている。

●今、できることからやってみよう!

本田先生の講演の締めとして、

  • 子どもがせっかく自分のわくわくエンジンを見つけても、親や先生や周囲の大人たちがそれをつぶしかねない対応をしてしまう場合がある
  • キーパーソン21では、親向け、先生向け、親子ぐるみなどの取り組みも行っている
  • 「みなさんも何でもいいので、何か行動を起こしましょう! 」

という内容のメッセージを拝聴しました。

先生のお話を踏まえて、「子どもたちの将来に向けて、今、自分ができることは何か」を考え、できることから実践しようと決めました。私の場合はまず講演で知ったことをブログで紹介・シェアするところから始めました。今後はリアルな場でも実践したいと感じました。

本田先生の講演レポが読者のみなさまの参考なったり、実践に活かされたりすることを願っています。

関連サイト

▼キーパーソン21 公式サイト
http://www.keyperson21.org/diary

イベント情報(開催日:2017.3.20)

2017年3月20日(月) に開催される「わくわく学生創出会議2017」(キーパーソン21主催) では、

  • 大学生たちによる講演(「わくわくする生き方を選択しようとしている学生に、その考え方や価値観を話してもらおう!」)
  • 人材育成に関わる パネリストによるディスカッション

も行われるそうです。

▼わくわく学生創出会議2017 -子どもの可能性をつぶさない-
http://www.kokuchpro.com/event/kpa/

G1研究会で拝聴した望月那菜さん(専修大学 文学部4年生)による「人に頼ることで自立する~人に頼ることで見えてきたこと」は、泣くかと思ったくらい感動しました。大学生7名による講演は、きっと素晴らしい内容だと思います。お子さんのキャリア教育に関心がある方は、ぜひご参加くださいね!

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編集履歴:2017.3.18 10:40 「以下、講演内容です」の前に一文を追加(講師の本田律さんが取り組んでいる...)。編集履歴:2017.3.18 22:40 【朝山あつこさん(主婦)の体験】の3.4.の部分を修正。

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