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【受験対策】古典文学のあらすじが手っ取り早くわかる本・ドラマ まとめ

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私はキャリアコンサルタントとして働く傍ら在野で日本文学研究もしています。そのおかげか理系の高校生の方から「受験で古文があるんですけど古典文学は読んだことありません。手っ取り早くあらすじがわかる本ありませんか?」とご質問をいただきました。私見になりますが回答させていただきますね。

古典文学のあらすじを漫画+入門書で

古典文学全般

漫画で古典のあらすじを知りたいなら、蛇蔵&海野凪子「日本人なら知っておきたい日本文学」がオススメです。清少納言や紫式部、鴨長明、吉田兼好、安倍晴明など著者にフォーカスを当てつつ古典のあらすじもさらっとわかります。

▼蛇蔵、海野凪子『日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典 (幻冬舎単行本) Kindle版』

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古典文学全般のあらすじと解説を一気に読めるのが、山口仲美先生の「日本語の古典」です。山口先生は、世界一受けたい授業(日本テレビ系)や『100分de名著』(NHK Eテレ系)でおなじみの国語学者です。

この本では、奈良時代の『古事記』から、江戸時代の『春色梅児誉美』、まで、歴代の名作30作品が紹介されています。たとえば、『源氏物語』のストーリーが数ページで巧みにまとめられています。大和和紀先生の『あさきゆめみし』を読む時間さえない、という場合はこの本がオススメです。

▼山口 仲美『日本語の古典 (岩波新書)

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源氏物語

源氏物語ならば大和和紀「あさきゆめみし」が有名です。絵が美しいですし、あらすじもばっちりわかります。この漫画は一気に大人読みできるので、勉強と言うより娯楽として楽しむことができます。iBooksやKindle版で購入すると、本のスペース節約ができて良いですよ。

▼大和 和紀『源氏物語 あさきゆめみし 完全版(1) (Kissコミックス) Kindle版

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平家物語

平家物語も本屋の漫画コーナーて見かけました。佐久間 智代先生の『平家物語』は平敦盛、平資盛など、平家のひとたちのストーリーをわかりやすくまとめています。

▼佐久間 智代 『平家物語 1 月の船、星の林

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横山 光輝先生の歴史物は、絵もストーリーも丁寧に描かれています。学校の図書館で『三国志』を読んだひとならば、この本も読みやすいと思います。

▼横山 光輝『平家語物 (上)―マンガ日本の古典 (10) 中公文庫

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源氏や俊寬など、平家以外のエピソードを把握したい時は、平家物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)がおすすめです。

平家物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

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漫画を読むのも面倒だという場合は溝口監督の映画「新・平家物語」がDVDされているので、映画を観れば平清盛を中心とした一大スペクトラムがわかりやすいのではないでしょうか。詳細な部分に関しては端折られているので、参考書や原文をあわせて読んでくださいね。

新・平家物語 [DVD]

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なお、2022年の大河ドラマが『鎌倉殿の13人』でした。『平家物語』や『吾妻鏡』の内容が踏まえられたドラマなので、観ると勉強になると思います。X(旧Twitter)ではやっていましたが、ドラマのフィクションの部分とリアルに起きた部分との比較をしてみるのも面白いですよ。

大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全版 第四集 ブルーレイ BOX[4枚組] [Blu-ray]

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『吾妻鑑』は高校生の時に竹宮恵子先生のマンガで勉強し、鎌倉時代のことを学びました。国語(古典)対策にはなりませんでしたが、日本史対策に役立ちました。図書館の本を借りて読んだだけでしたが、無事に大学に合格できました。ありがたかったです。

吾妻鏡(上)―マンガ日本の古典〈14〉 (中公文庫)

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枕草子

NHKのまんがで読む古典は絵が綺麗でわかりやすいとウェブ上で評判が良かったです。実際に読んでみたら、要所要所をわかりやすく説明してくれているので確かにわかりやすかったです。名作の原文を読む前に読むと、とっつきやすいのではないでしょうか?

面堂 かずき『NHK まんがで読む古典 1 枕草子 (ホーム社漫画文庫

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山口仲美先生は、初心者向けの門書も書かれています。古典が苦手な人でも、説明が上手なのですんなり読めますよ。

山口 仲美『すらすら読める枕草子』

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更級日記と蜻蛉日記

私は『女流文学日記』という本で、古文と現代訳を対照させて読みましたが、川村裕子先生の本もおすすめです。入門書なので、あらすじも当時の習慣もわかりやすかったです。

▼川村 裕子『王朝文学入門 (角川選書)

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入門書として、角川ソフィア文庫からいい本が出版されていました。現代語訳付きなので大変わかりやすいのですが、文字で読むのはいやだという方は、漫画で読む古典をオススメします。

▼原岡 文子『更級日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

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▼羽崎 やすみ『NHK まんがで読む古典 2 更級日記・蜻蛉日記 (ホーム社漫画文庫)

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文学のあらすじを、テレビや入門書で知る

Jブンガク

100分de名著とか、ロバート ・キャンベル先生のJブンガクなど、テレビで文学のあらすじがわかる番組が増えています。どれか一冊だけオススメするとしたら、キャンベル先生の『Jブンガク―英語で出会い、日本語を味わう名作50』が一推しです。

▼ロバート・キャンベル『Jブンガク―英語で出会い、日本語を味わう名作50

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古典文学は歴史的仮名遣いで書かれているので、読みにくい文章に出逢う時があります。キャンベル先生の本は、日本語+英語訳があり、英語のおかげで内容がよくわかる場合があります。

Jブンガク―英語で出会い、日本語を味わう名作50』には、中古文学から現代文学まで50作品収録されています。

【主な掲載作品】

清少納言『枕草子』、松尾芭蕉『奥の細道』、夏目漱石『三四郎』、福沢諭吉『学問のすゝめ』、 中里介山『大菩薩峠』、小林多喜二『蟹工船』、林芙美子『放浪記』、石原慎太郎『太陽の季節』、江國香織『間宮兄弟』、川上弘美『蛇を踏む』等50編。
※http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4130830546/ より引用

江戸時代の古典文学がどこかの学校で出題された記憶があります。江戸時代の古典文学は勉強が足りなくなりがちなので、松尾芭蕉『奥の細道』など近世文学の概要を知っておくと役立ちます。

100分de名著

山口仲美先生は、『100分de名著』(NHK Eテレ系)で『枕草子』を楽しく解説されています。映像は、NHKアーカイブで公開されているので、番組を観ればどんな内容かすぐにわかります。

▼山口仲美『NHK「100分de名著」ブックス 清少納言 枕草子

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筆者からの補足

『負け犬の遠吠え』で著名なエッセイスト・酒井 順子さんが古典文学を解釈し、現代語で各シリーズがあることを知りました。「現代なら、こんなことだよね」という解釈で書かれているようです。正確な現代語訳とはズレがあると思いますが、雰囲気を知るには良いかもしれません。

▼酒井 順子『徒然草REMIX

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ちなみに、私は氷室冴子先生の『ざ・ちぇんじ』『なんてすてきにジャパネスク』を読んで、平安時代のことを勉強しました。裳儀とか参内とか、当時の習慣・様子を知る際に、ちょうど良かったです。

▼山内直実(原作・氷室冴子)『なんて素敵にジャパネスク(1)

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私が大学受験をしたときには、マドンナ先生こと荻野文子 先生のの古典の本も活用しました。

▼荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版 (大学受験超基礎シリーズ)』

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最近の本だと「スタディサプリ」で有名な岡本梨奈先生の本もわかりやすかったです。イラストがかわいいので理解しやすかったです。2023年現在は、kindleの読み放題に加入していれば無料で読めるのでお勧めです。

▼『岡本梨奈の 1冊読むだけで古文単語&古文常識が面白いほど身につく本 Kindle版

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念のため

ちなみに私は漫画に加えて大学受験の前に図書館の子供向けコーナーで小学生用に古典のあらすじをまとめたポプラ社の本を借りて読みました。あらすじがわかるし、読みやすくて受験勉強が楽になりました。子供向けの本は個人的にはおすすめです。

なお受験勉強の対策は文法や読解問題なども行わないといけないので、よく出題される古典文学の漫画だけ読んでも太刀打ち出来ません。別途、古文の勉強や原作を読む、過去問を解くなどいろいろ準備する必要があります。もろもろご注意の上、ご活用くださいね。どうぞ、よろしくお願いいたします。


編集履歴:2014.6.24 11:49 冒頭の段落から、「そこで」「ウェブのことではありませんが」を、削除しました。2015.6.19 23:07  題名に「【改訂版】」を追加。2015.4.17に別ブログに書いたを入門書の情報を統合。(ロバート・キャンベル先生や山口仲美先生の本など、源氏物語の欄の「絵が美しいですし、・・・」以下の段落と筆者からの補足を大幅加筆。見出し「念のため」を追加。)「によみやすいように」→「初心者向けの」、に修正。「原文を」のあとに「あわせて」、横山 光輝先生の歴史物は、を追加。2023.9.1 16:50 はじめにを改稿。『鎌倉殿の13人』『吾妻鑑』岡本梨奈先生の情報を追加。『枕草子』、「念のため」の部分を改稿。題名を「【改訂版】Q,受験で古文があるんですけど古典文学は読んだことありません。手っ取り早くあらすじがわかる本ありませんか?」から改めました。同日20:25 はじめにの部分を改稿しました。2023.9.5 14:54 「はじめに」の部分に「理系の...」を追加しました。

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