転職力と社会的価値 2/2
昨日のブログでも述べたように、「社会的価値」の本質は、行動習慣と、その結果としてもたらされる覚悟です。
次の3つのツールを使いこなすことができれば、その「社会的価値」を高めることに役立つでしょう。
1つ目は、「書く」ことです。それも、単語の羅列や箇条書きではなく、文章として書けるようにすることです。
単語の羅列や箇条書きは簡便ですが、重大な弱点があります。それは、言葉の要素や概念のあいだに「論理」をつくれないことです。羅列や箇条書きで、関係や構造を考えないまま書き出しだけでは、安易な達成感を味わってしまい、分かった気になってしまいます。当然そんな中途半場な知識では、人に何かを説明するにも筋の通った説明ができません。それが習慣化すると致命的です。
羅列や箇条書きではなく文章にすると、自分の理解の度合い、つまり論理を伴う理解の程度が「見える化」されます。例えば、論理がないと、唐突な展開や文意が通りませんし、単調でつまらないものになってしまいます。文章にして「見える化」することで、はじめてそのことが分かります。だから羅列や箇条書きではなく文章にすることが大切になるのです。
それは、自ずと、他人にも伝わりやすいものになり、自分の存在を分かりやすく伝えることにもなります。
2つ目は「描く」ことです。分かりやすい図表やチャートで表現することです。「書く」ことで、自分の知識を見える化し、論理構造を与えます。それを誰が見ても直ぐに分かる絵に「描く」ことで、効率よく、そして深く他人に自分の考えを伝えることができます。
絵は文章以上に一人歩きしやすく、印象に残りやすいものです。その価値を駆使できれば、多くの人たちに自分の存在を印象づけることができます。
3つ目は、「話す」ことです。話す上で大切なことは、確信と論理です。確信とは、自分が伝えようとしている内容に迷いがない、大好きである、是非とも伝えたいというパッションです。論理とは、「書く」と同様に、「筋の通った説明」であり、矛盾なく相手に伝えることができることです。
話すテクニックは、確信と論理が前提になければ役に立ちません。テクニックで大切なことは、適切な例え話、緩急とメリハリ、対話力でしょう。例え話は、相手にとって身近な例を引き合いに出して物事の本質を直感的に理解させること、緩急とメリハリは、何が大切かを明確に伝えること、対話力とは、相手の表情や場の雰囲気、質問や反応に臨機応変に対処して相手の知りたいことを感じ取り、それを伝え、相手の感情の機微に合わせることで、心地よさを与えることです。
例え知識や能力があり、「自分には社会的価値がある」と思っていても、それが相手に伝わらなければ、社会的価値はないも同じです。社会的価値があるかどうかは、自分が決めるのではなく、相手が、あるいは世間が決めることだからです。「書く」、「描く」、「話す」、そのために欠かすことができないツールなのです。
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もちろん、そのツールを使いこなし鍛え上げてゆくことは、大変なことです。だからこそ、それができることに社会的価値があり、リスクを冒してでも、自らを世間に晒し、このツールを実践で磨く機会を増やしてゆく必要があるのです。
転職や独立を志す人たちを、私は心から応援したいと思っています。ただ、それを目的にしないことです。目的は自分自身の人生を豊かに、生きがいのあるものにするために「社会的価値」を高めることです。転職や独立はそのための手段であると心得るべきでしょう。その心構えがあり、既に「社会的価値」を高めるための行動している人であれば、自ずと転職や独立もうまくと思います。
不確実性の高まる世の中にあって、長期安定した未来を描くことなどできない時代になりました。だからこそ、頼れるのは自分自身しかありません。もはや自分の「社会的価値」を高めてゆくことでしか、これからの100年人生を生き抜くことはできないと、覚悟を決めるしかありません。
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