場所が決まった!八ヶ岳南麓にコワーキングスペース
八ヶ岳南麓にコワーキングスペース、あるいは、誰もが利用できるサテライト・オフィスを作る。そんな話を以前にも書いたが、やっとその場所が決まった。
場所とはいっても、いまはまだ森だが、東に向かう緩やかな斜面の向こうに広がる里山、そのさらに向こうに、瑞牆山(みずがきさん)、金峯山(きんぷさん)、茅ヶ岳(かやがたけ)が一望できる。そして、すこし歩けば、富士山や南アルプスも眼前に広がる好立地だ。
幹線道路からは少し奥に入ったところで、人通りもない。小高い丘に立つ神社へとつながる参道が、その森を抜けている。とても、厳かで、静かな森だ。先日見に行ったときには、キジのつがいが走り回っていた。以前から、散歩がてらに歩いていたところで、鹿に出逢うことも多い場所でもある。
この森を切り開き、ワーキングスペースを建てようという計画だ。この森には、小楢や栗などの広葉樹の他に、赤松や唐松、檜などの針葉樹も茂っている。それを建材に加工して、建物を建て、建材にならないところは薪にして、ストーブの燃料として使う。地産地消、もちろん、この森の雰囲気を残すために、一部は残そうという計画だ。
宿泊については、「キャンプ」のみにしようと思う。キャンプサイトをよういするので、ぼっちキャンプを楽しみ、昼間は仕事を楽しむ。それも悪くはないだろう。
実は、宿泊施設も作ろうかと考えたが、それなりにお金がかかる。幸いにも、近くに、とても心地いいペンションやホテルがあるし、温泉施設もある。頑張れば歩いて行ける距離だ。また、やはり歩いて行ける距離に「ひまわり市場」という、全国的に有名な地元のスーパーもあるし、クルマで10分ほどのところにはDYIショップあって、生活の不便はない。
いずれは、宿泊等や露天風呂など作りたいとは思っているが、まずはミニマム・スタートである。むしろ、ミニマムで、「自然の中での仕事に没頭」できる環境作りに徹底し、地元との関係を通じて、不足を補うことで、地元にも貢献できればと思っている。
土地を手に入れる資金繰りは何とかなったが、建物を建てる資金は、これから何とかしなければならない。言わば見切り発車だ。それでも、このような取り組みを始めることには、大いに意義があると思っているので、なんとかするつもりだ。
私は、ここに住んで5年になるが、この場所がいかに特別なところであるかを、身をもって体験してきた。大自然の中の森や空気や太陽が、これほど命を蘇らせるとは、思いもしなかった。それが証拠に、定住者がどんどんと増えている。最初は別荘で週末や休日に来るだけだった人が、いつの間にか虜になって、住み着いてしまう。そんな人たちが増えている。
特に、コロナ禍に見舞われ、リモートワークが定着したこともあり、これを機にこちらに移り住もうという人たちが、急に増えている。私の家のまわりにもそんな人が何人かいる。特にアーティストなどのクリエイティブな仕事をする人たちが、多く集まっているのも、この付近の特徴とも言える。おかげで、定住のための新築やら古い建物の改修やらで、大工さんは人手不足だ。ちょっとした「コロナ・バブル」である。
そんな場所にリモートワークの拠点を作りたいと思ったのは、この国をもっとよくしたいと思うからだ。
時空間に縛られた窮屈な働き方から解放されれば、発想も拡がり、仕事の価値も高まるはずだ。初めての人との出会いが、多様性を生みだすきっかけになるだろう。自然の中で過ごすことでセレンディピティに出会えるかも知れない。そんな場を作ることができれば、日本はもっとよくなるに違いない。そのためにささやかながらの貢献をしたい。
コロナ禍以前からこの計画を暖めていたが、コロナ禍になって、それを受け入れてくれる社会の素地が、一気に広がってきたと思っている。
ミニマムであるが、それでいて、安定したネット環境や壁全面のホワイトボード、椅子やデスクには、徹底してこだわる。スタンドアップで仕事をしてもいいし、森の中でもネットがつながるし、ふと目を上げれば、緑の里山と山脈が拡がり、ごろ寝もできて、ハンモックに揺られてもいい。
そんな場所ができれば、働くことの意味や価値が変わるかもしれない。そういう人たちが増えれば、社会はもっとクリエイティブになり、閉塞感のただよういまの時代を変えてゆく原動力が生まれてくるだろう。
ハッカソンやアイデアソンを、やってもいいかもしれない。いつもとは違う自然の中で、これまでには無いひらめきを引き出せるかも知れない。
土地は決まった。後は、動き出すしかない。是非、多くの皆さんの関心と何でもいいから、手伝って欲しいと思っている。ご興味があれば、ご連絡を!