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どんな本を読めば良いのか、教えてもらえませんか?

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「どんな本を読めば良いのか、教えてもらえませんか?どのサイトが良いでしょうか?」

新入社員研修で必ず頂く質問だ。

「申し訳ないけど、あなたが何を読めばいいかは、私には分かりません。あなたがこれまでどんな本を読み、何を学んできたかも分かりません。どの本を読むべきかは、自分で考え、見つけるしかありません。難しすぎる、役に立たない本を買ってしまうこともあるでしょう。そういう失敗を繰り返すことで、自分にふさわしい本に巡り会うことができます。自分でやってみるしかありませんね。」

そして、さらにこんな言葉を付け加える。

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「『企業会計や決算について、勉強したいのですが、良い本はないでしょうか』なら、答えようがあります。『Javaのプログラミングで、XXXについてもっと勉強したいんですけど、どんな本を読めばいいでしょうか』という質問であれば、私は専門家ではありませんから、誰々に聞いてみたらどうだろうか、と答えることができます。」

「自分はこう思うや自分がどうしたいかをはっきりと示し、それについてどう思うかという質問であれば、答えようがありますよ。ただ、漠然とどんな本がいいかと問われても、応えようがないのです。」

新入社員に限らずだが、それなりの経験を積んだ人でも、同じような質問をされることがある。

「私たちにお役に立てそうなことで、お手伝いできることはありませんか。ぜひ教えてもらえないでしょうか?」

こんな話を投げかけられたお客様は、「何を教えろと言うんだ?」と、きっと困ってしまうだろう。私が質問を受ける立場であれば、もう少し親切に、次のように申し上げて、お引き取り頂くだろう。

「うちに何が必要か、何をすべきかは、うちのことを調べれば、すこしは想像できるでしょ。『こういうことはありませんか』と質問をしてください。そうすれば、こちらにも気付きが生まれるでしょうし、なるほどと思うこともあるでしょう。世の中はこんなことになっているが、御社はどうでしょうかという質問もありがたいですね。しかし、何かないかと言われ、あなたの答えをこっちで考えろというのは、あなたの努力不足をこちらにカバーしろと言っているようなものではありませんか。」

『自分の正解』をまずは持つことだ。自分はこう思う、こうしたいが、どうでしょうと、相手にYes/Noを求める。それがない質問は、相手を疲れさせてしまう。

『自分の正解』を示した上で、これにYes/Noを求める質問であれば、次のような答えが返ってくるだろう。

その通りだが、ここが足りません。

そうじゃなくて、こっちですよ。

ちょっと違います。違っているところはこういうところです。

そうやって、相手が正解を作ってくれる。

こういう話をすると「だから質問なんかできない」と考える人が出てくるかもしれないが、それは本末転倒だ。

質問は、自分を磨く最良のツールだ。質問するには脳みそをフル回転させて、考えなくてはならない。当然、日頃のインプットも必要だ。相手の感情への配慮、わかりやすい表現など、いろいろと気を遣う。そういう集大成が、どこまで通用するかを試す絶好の機会が質問だ。

うまくいくこともあれば失敗することもある。失敗することから学ぶことのほうが多い。そんな機会が増えれば増えるほど、学びの機会が増えてゆく。

質問力は想像力だ。想像力は、知識や経験の蓄積だ。きっとこうではないかと言える想像力を磨いてこそ、適切な質問ができるようになる。

さあ、どんどん質問しよう。

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