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「新規事業を立ち上げること」を目的にしているようではうまくいかない

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「デジタル・トランスフォーメーション」で世間は大騒ぎだ。これを商機にと、新規事業を生みだそうと意気込んでいるところもあるが、そのほとんどはうまくいかないだろう。それは、建て付けが間違っているからだ。

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そもそも、「新規事業」は目的ではなく手段だ。社会やお客様の課題があり、既存の事業スキームでは解決できないので、新規事業という手段で解決しようというのが正しい建て付けだ。しかし、手段である「新規事業を立ち上げること」を目的にしているようでは、成功する道理はない。

「ほかが手をつけていないから、やってみよう」

これでは、何を解決するのかはっきりしないし、そんな新規事業など誰も使ってはくれないだろう。

新規事業が目的になってしまうと、つぎのようなことが始まってしまう。

  • 事業として価値を生みだしていなければ進捗はゼロなのに、管理者は進捗を管理しようとする。それに応えようと、カタチだけでも成果をあげようとする。そして「まだ、これからだとおもっていますと、お決まりの言い訳をするが、そんな取り組みに「これから」はない。
  • 始めたばかりの新規事業だから数字の見通しなど示せるはずがない。そんな取り組みの進捗を既存事業と同じように数字で評価し、リスクを排除し、これまで同様の慣例や制約を課すなど、従来のやり方の枠にはめようとする。既存のやり方を逸脱して成果をあげることが新規事業であるはずなのに、それをさせようとしない。これではうまくいくはずがない。
  • 新規事業に向かない人たちを集めてしまう。新規事業は、既存の常識の逸脱だ。当然に抵抗に遭うだろうし、遅々として成果が上がらない。それでも心折れずに理想を貫き通す胆力がなければ、新規事業はうまくいくはずはない。

何を解決するのかを徹底して突き詰めることが大切であろう。最善の手段が新規事業ではなく、既存を辞める、あるいは改善することであるかも知れない。手段がどうであれ、業績の改善に貢献できなければ意味がないし、業績が改善できれば、それは立派な成果である。しかし、それは新規事業ではないからダメ!というのはおかしな話しではないか。

「新規事業を立ち上げること」を目的にすべきではない。

大切なことは、世の中を、あるいはお客様を幸せにすることではないか。

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ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【5月度のコンテンツを更新しました】
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・以下のプレゼンテーション・パッケージを改訂致しました。
> 2020年度・新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス
>デジタル・トランスフォーメーション 基本の「き」
・ITソリューション塾・第33期(現在開催中)のプレゼンテーションと講義動画を改訂
>これからの開発と運用
・総集編を2部構成にして、そのまま講義/講演用のパッケージとして使えるように編集し直しました。
プレゼンテーション・パッケージ ======
【改訂】デジタル・トランスフォーメーション 基本の「き」
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【改訂】総集編 2020年5月版・最新の資料を反映しました(2部構成)。
【改訂】ITソリューション塾・プレゼンテーションと講義動画
>これからのビジネス戦略
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ビジネス戦略編
【新規】デジタル化によって生みだされる2つのビジネス領域 p.10
【新規】ビジネス発展のサイクル p.11
【改訂】デジタル・トランスフォーメーション 2つの解釈 p.19
【新規】デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションp.20
【新規】ビジネスに大きな影響を与える3つの要因と対処方法 p.21
【改訂】DXを支えるテクノロジー・トライアングル p.41
【新規】自動車ビジネスの直面する課題 p.44
【新規】ビジネス価値の比較 p.45
【新規】コロナ・ショックで「デジタル・シフト」が加速 p.49
【新規】WithコロナのSI戦略 p.50
【新規】ITに関わる価値の重心がシフトする p.83

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】ソフトウエア化されたインフラ p.63
【改訂】5Gの3つの特徴 p.263
【新規】5Gへのネットワークの集約 p.271

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【改訂】学習と推論の役割分担 p.84
【新規】デバイス側のAIチップ(エッジAIチップ)の必要性 p.85

サービス&アプリケーション・基本編
【新規】DXとERP p.9

開発と運用編
【新規】アジャイル・DevOps・クラウドは常識の大転換 p.9
【改訂】VeriSM p.17

下記につきましては、変更はありません。
 ITの歴史と最新のトレンド編
 テクノロジー・トピックス編
 クラウド・コンピューティング編
 サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT

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