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オンライン会議とドキュメントとビジネス・リテラシー

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オンライン会議は、普通の会議よりも疲れると感じる人は多いのではないか。しかも、実際に顔をつきあわせてやるよりも、短時間で終わる。そして、会議が終わると、どひゃっと疲れて、しばし他の仕事に手がつけられない。

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この現象については、多くの人が語るように、身振り手振りも交えて、五感を総動員したコミュニケーションができず、言葉に頼ろうとするから、どうしても疲れる。

コミュニケーションにはバーバル(言語)とノンバーバル(非言語)がある。伝わることを全部で100%とすると、バーバルの割合は7%、ノンバーバルは93%だそうだ。具体的には、話し方つまり口調、抑揚、語調の強弱などが38%、ボディーラ ンゲージ-表情、身振り手振り、姿勢などが55%といわれている。言葉だけしか使えず、表情や姿勢、目線、声のトーン、身振り、話し方などが、うまく見せられないオンライン会議は、普段の会議とは、だいぶ異なるコミュニケーションの場だ。

当然、言葉に頼ろうとするから、何をどのように伝えれば、うまく伝わるかを厳選しなければならない。つまり、伝えるべきメッセージの本質をリアルタイムで厳選しながら、言葉を繰り出していかなくてはならない。これが、疲れてしまう最大の原因なのだろう。

また、zoomなどで打ち合わせをしていると、相手がVDI用のシンクライアント端末でカメラが付いていないとか、あえてカメラをオフにして会議に参加する人がいる。そうすると、相手の反応が見えず、相手の反応をこちらで想像しながら、会話の展開を考えていかなければならず、これもなかなかのストレスだ。

このような、オンライン会議で、相手に確実に自分の考えを伝えようとする意図があるならば、やはりそれなりの事前準備が必要となる。これは、オンライン/オフラインにかかわらず大切なことではあるが、オンラインでは、その準備の善し悪しが、オフライン以上に結果を大きく左右する。

特に大切になるのは、「ドキュメント」だ。ドキュメントとは、文字だけではなく、図表をも駆使し、自分の考えを相手に伝えるツールだ。つまり、言葉だけでは伝わらない部分を補うために、これまでにも増して、ドキュメントにこだわり、メッセージを託す必要がある。

だからといって、1枚のチャートにたくさんの情報を詰め込み、虫眼鏡で見なければ見えないようなドキュメントを作っても良いという話しではない。簡潔明瞭、一目瞭然、すっきりと美しいドキュメントを目指す必要がある。特に。目指すべきは「美しさ」であり、全ての要件を包含したドキュメントの完成形の基準となる。

そのようなドキュメントを作ろうとすると、どうしても何が枝葉末節なのか、何が伝えるべき本質なのかを考えなくてはいけないし、表現しなければならない。それは、ドキュメントそのものを洗練させるだけではなく、オンライン会議で何を伝えるか、どのように伝えるかの準備にもなる。

そう考えてみると、オンライン会議というのは、本来の会議の「あるべき姿」を私たちに気付かせてくれる良い機会なのかも知れない。物事の本質を捉えること、それを確実に相手に伝えること、そのための洗練されたドキュメントを作ることは、なにもオンライン会議だけに使えるわけではなく、ビジネス・リテラシーそのものと言えるだろう。

オンライン会議に限った話しではないが、リモートワークを強いられることで、痛勤電車に乗って、都心の立派なオフィースに出社するというカタチがなくなってしまった。出社してデスクに座ること、お客様との打ち合わせのために移動すること、会議室に一同集まり顔を合わせることなど、私たちが「それも仕事のうち」と思い込んでいたことが、ただの儀式や形式、つまりカタチでしかないことを思い知らされている。一方で自分の仕事の成果、あるいは自分の生みだす価値、つまり仕事の本質をストレートに問われることになった。

昨日のブログで「本質的な魅力」について書いたが、まさに仕事に於いても、「本質的な価値」を問われることになったわけだ。

いまのパンデミックが収束した後も、そんな価値基準は残って行くだろう。そんな時代にも自分の存在価値を証明し続けるためにはどうすればいいのかを、考え、試してみる、いまはそのための良い機会なのかも知れない。オンライン会議は、ある意味、そんなこれからの自分の価値を磨き、極めるチャンスでもある。

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