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「ソリューション営業」の崩壊、だから 2/4

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あなたは、お客様のご要望に応え、丁寧で実直に仕事をこなしている、何が間違っているのだと反論したいかも知れない。そのとおり、何も間違ってはいないし、そのような態度が、お客様との信頼関係を築く土台となることは言うまでもない。しかし、それだけの営業ではもはや役割を果たせない時代になろうとしているのだ。

では、どうすればいいのだろう。4回にわたってこのテーマについて、考えてみようと思う。

  1. お客様の「手足」になるのではなく「頭脳」になれ
  2. 古き良き時代の営業スタイルは通用しなくなる(今回)
  3. 進化する営業の新しいカタチ
  4. 「ソリューション営業」の崩壊、だから

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2.古き良き時代の営業スタイルは通用しなくなる

次のような3つの古き良き時代の営業スタイルは、これからは成果をあげにくくなるだろう。

1つは「人間関係構築営業」だ。お客様に足繁く通い、ゴルフや会食にも精を出す。お客様との人間的信頼関係をしっかりと築くことで、仕事の依頼を頂こうというわけだ。「ご要望には何でもお応えします、直ぐに人やモノを揃えます、だからご要望をお聞かせください」にうまく当てはまる仕事であれば、直ぐに思い出してもらえるし、気軽に相談できるので、案件を手堅く作ることができるだろう。

もうひとつは「御用聞き営業」だ。ミスのない丁寧な仕事とお客様への気配りは、お客様に安心感を与える。トラブルやクレームにも真摯に向き合い解決する姿勢は、お客様からの信頼を高めてゆく。そんなお客様との関係を土台に、お客様からまめにご要望を伺う。大きな案件を掴むことは難しいが、こつこつと案件を積み上げてゆくことができるだろう。

最後は「一匹オオカミ営業」だ。このスタイルの特徴的なことは、自分の経験や直感に大きく頼るところだろう。案件が小規模であり、単価も安く、短期間で決着がつくものであれば、機動力もあり成果に結びつきやすい。

ただ、既存の業務システムはクラウドや自動化にシフトし、工数や物販のビジネスを拡大してゆくことは難しくなる。テクノロジーの急速な進化は、これまでの手段をあっという間に陳腐化させ、選択肢を多様化させる。そんな中で、お客様はどうすればいいのかの答えを探している。このような状況で、これからのビジネスやITを活かした新しいビジネス・モデルについての見識を求められることになる。

お客様の「手足」となることを前提とした3つの営業スタイルのままでは、例え仕事を依頼されることがあっても、既存のシステムの保守やその延長線上にある追加や変更などに留まってしまうだろう。そして、「少しでも安く」という圧力が常についてくるので、利益を増やすことは容易ではない。このようなやり方では、お客様のデジタル・トランスフォーメーション実現の取り組みに関わってゆくことは難しい。

次回「進化する営業の新しいカタチ」に続く

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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