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【図解】コレ1枚で分かる"Predix"と"FIELD system"

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産業界における「ものづくりデジタル化」への取り組みが活発になっています。米国では「Industrial Internet(産業のインターネット)」、そしてドイツでは「インダストリー4.0(第4次産業革命)」という取り組みがすすんでいます。

「Industrial Internet」では、ゼネラル・エレクトリック(GE)を中心にインテル、シスコシステムズ、IBM、AT&Tの5社が中核となって産業界での連係組織「Industrial Internet Consortium(IIC)」が創設され、その普及を進めています。参加企業は、米国企業に留まらず、欧州、日本、中国などに拡がっています。また、対象は製造業だけではなく、エネルギー、ヘルスケア、製造業、公共、運輸の5つの領域としています。

一方、「インダストリー4.0」は、ドイツの産業政策の一環として産学官が連係し、製造業の革新を実現しようという取り組みで、「スマートファクトリー」構想をコンセプトにものづくりの世界標準を目指しています。

さて、Industrial Internetを先導するGEのCEOジェフ・イメルトは、「ハードウェアだけで競争に勝てる時代は終わった。ハードウェアは同じでもソフトウェアでハードウェアの能力を引き出して、顧客の価値を最大化できる。」と語り、これを実現する手段として「Predix」というソフトウェア基盤を開発、ひろく提供をはじめています。

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Predixはクラウド・コンピューティングと産業機器の周辺に配置されるエッジ・コンピューティングの組合せによって構成されています。

参考 >> 【図解】コレ1枚で分かる超分散「エッジ・コンピューティング」の時代

オープンソースソフトウェア(OSS)を積極的に活用し、産業機器の性能管理やオペレーションの最適化、製造現場の最適化を実現するためのソフトウェアを提供しています。さらにPredixの上で他の企業が開発したアプリケーションを提供できるオープン・プラットフォームとしても、その役割を果たし、Industrial Internetの普及を支えています。

このような動きに対し、我が国の産業用ロボット大手のファナックが独自に、産業機器を統合制御するソフトウェア基盤「FIELD system」を発表しています。

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Predixと異なり工場内に特化したソフトウェア基盤として作られています。Predixのようにクラウド・システムとエッジ・システムを連係させる仕組みではなく、工作機械やロボットのある製造現場に配置されたシステムをネットワークでつなぎ、作業負荷や稼働状況を共有し、機器同士が会話しながら協調連携して機器類の稼働率を上げることに重点が置かれています。

FIELD systemには機械とアプリケーションをつなぐためのファナックが独自に開発した「FIELD systemミドルウェア」を中核に、ファナックとシスコが開発した故障予知システム「ZDT」、ファナックが開発した品質情報管理システム「LINKi」、Preferred Networksが開発した機械学習を使ったアプリケーション基盤「DIMo」を提供し、他の企業が開発したアプリケーションも提供できるオープン・プラットフォームとして提供されています。

ITを武器にものりづくりを革新し競争力を強化しようという取り組みは、オープン・プラットフォームを基盤に多くの企業を巻き込みながら、ますますそのスピードを速めてゆくことになるでしょう。

【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【9月版】

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*** 全て無償にて閲覧頂けます ***

最新版【2016年9月】をリリースいたしました。

今回は全資料について、ノートへの解説を追加しています。また、更新履歴が増えすぎたことで、ダウンロードボタンが押しにくいというご指摘をいだき、過去の履歴を別ファイルに集約して、すっきりさせました。

【インフラ&プラットフォーム編】(295ページ)

内容的に古くなったページを削除し、新たなページを追加、ノートの解説も増やしました。

【新規】「セキュリティが不安でパブリック・クラウドは使えない」は本当か? p.79
【新規】サーバー利用形態の歴史的変遷 p.160
【新規】SDIの求められる必然性 p.162
【新規】サーバー仮想化の3つのメリット p.188

【アプリケーション&サービス編】(256ページ)

人工知能関連のチャートを大幅に追加、解説(文章)付きスライドも増やしています。内容の古いチャートは削除しました。

【新規】「自動化」から「自律化」への進化 p.139
【新規】人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係 p.147
【新規】「記号処理」から「パターン認識」へ p.152-153
【更新】ディープラーニングの画像認識能力 p.160
【新規】シンギュラリティの意味 p.184-185
【新規】システム資産・運用の歴史的変遷 p.232
【新規】汎用目的技術 p.254
【新規】PC誕生の歴史 p.255

【ビジネス戦略編】(94ページ)

記載内容が古いチャートを削除し、解説文付きのチャートを増やしました。

【新規】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.4
【新規】テクノロジーが変える社会基盤 p.8
【新規】"uberlist"になるための実践ステップ p.12
【新規】バイモーダルITと人材のあり方 p.73
【新規】求められるスキルの転換 p.74

閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は会員登録(500円/月)が必要となります。まずは、どのような内容かご覧頂ければ幸いです。

「ポストSIビジネスのシナリオをどう描けば良いのか」

これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。

その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。

「システムインテグレーション再生の戦略」

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  • 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
  • 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
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また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。

こんな方に読んでいただきたい内容です。

SIビジネスに関わる方々で、

  • 経営者や管理者、事業責任者
  • 新規事業開発の責任者や担当者
  • お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
  • 人材育成の責任者や担当者
  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー
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