【図解】コレ1枚でわかる営業として「良き相談相手」になる方法
お客様がPC×100台を購入したいと考えているとしましょう。お客様は、その見積を貴方に求めました。貴方は、求める仕様を確認し構成を組み、価格や納期などの条件を確認し、お客様に見積を提出するかもしれません。それが間違っているわけではありませんが、このやり方の行き着くところは、「PC×100台」見積以外に選択肢はなく、競合他社との価格競争にさらされるだけのことです。
ただよく考えてみると、お客様は「PC×100台」を使って何かを実現したいはずです。「PC×100台」は、そのための手段に過ぎないのです。
そこで、「なぜPC×100台なのでしょうか?」をお客様に尋ねると、「新商品の発売に合わせて、受注受付のコールセンター要員を100人増やすため」だと教えてくれました。つまり、「PC×100台」という手段を使い「増加する受注に対応したい」ということが分かりました。つまり、お客様が、実現したいことは、「増加する受注に対応すること」なのです。これを「あるべき姿(To Be)」といい、これを実現することがお客様の「ニーズ(Needs)」となります。一方、「PC×100台」は、「手段(To Do)」であり、お客様の欲しいものは「ウォンツ(Wants)」となります。
「なぜ?」は、「ウォンツ」の背景にある「ニーズ」を確認するための大切な言葉なのです。
「ニーズ」が分かれば、次に、それを実現する最適な手段を考えます。例えば、CRMを導入して応対時間を半減すれば、追加要員は半分の50人ですみ、PCは50台あればいいことになります。加えて、人件費を半減できるばかりか、オフィスの賃貸料も削減できます。こちらのほうが、「PC×100台」という手段よりも遥かにコストパフォーマンスが高い解決策です。あるいは、ビジネス・プロセスを見直すことで、全てをWebでの手続きに変えれば、人件費も設備投資も不要になります。ますます、お客様の得られる価値は高まります。このようにして、「ニーズ」を満たす最適な手段を考えてゆきます。
「PC×100台」の見積を求められ、その通りに見積を提出することしかできないとすれば、お客様に何ら自らの付加価値を示すことはできません。しかし、お客様の「あるべき姿」を正しく理解し、お客様の求める「ウォンツ」よりもより大きな価値を提供できる手段を示すことができれば、競合とは違う土俵に立つことができ、価格競争で疲弊することもなくなります。
いろいろな事情から、結果として、「PC×100台」をお客様が選択されたとしても、「ニーズ」を踏まえたより付加価値の高い選択肢を提示することができれば、お客様の貴方に一目置いてくれるようになるでしょう。このような、関係が継続できれば、お客様は貴方を「良き相談相手」として信頼して下さるようになるでしょう。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン