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ちょっと変な銀行の対応 ATMで忘れ物を見つけたら

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連休で慌ただしい5月X日に三菱UFJ銀行のATMを使おうとするとそこに名刺入れが。中を見ると、名刺入れに色々と大切なものが。これは放置しても盗られたらマズイし、早速ATM備え付けの電話で銀行さんに連絡してみた。

銀行さん、〇〇と申します、どうかしましたか?と電話に出てこられた。

〇〇支店X番のATMに名刺入れ忘れ物アリ、〇とか△とか色々と大切なものが入っていて、同じ名刺が何枚かあるのでその人の持ち物と思われるがどうすればよいか、と質問した。

すると、銀行さんは、最寄りの交番に届けて下さい、と一言。

小生、え、ほかにやり方ないんですか?と質問。

銀行さん、拾得者の権利があるので、交番に届けて下さい、との返答。

小生、いや、拾得者の権利は要らないので、そちらで対応できないの?と質問。

銀行さん、それでも交番に届けて下さい、との返答。

しょうがないな、と思っているとさらに銀行さん、名刺入れは何色でしょうか?との質問。

小生、これは言いにくい色ですね、〇というか△ぽい◇かな、と返答。

銀行さん、よろしければお名前と連絡先をお教えください、とのリクエスト。

で、小生、これに返答して、じゃ、交番に届けますね、と言うと、銀行さん、再度名前を言って、電話終了。

これって、ちょっと変だなと思いました。

視点1:論理 拾得者の権利を得るには交番に、と言っておいて、権利は要らないと言っても、結局は交番に行かねばならない。全体の流れからして、なんで小生の名前・連絡先が必要が不明。名刺入れの特徴についての質問が、色だけというのも一応聞いたという印象(複数ある名刺の情報とか他に重要な点はある)。また、ATMでの忘れ物はしばしばあると思われるが、(銀行にとって無難な対応のみで)ユーザーにとってちゃんとした対応が準備されていないのは、ユーザーでなくサービス提供者の論理に偏っている。

視点2:顧客サービス ティール組織ザッポス(顧客サービスで有名な企業)の例をあげるまでもなく、お客様・ユーザー志向の組織なら、もっとよい対応ができたはず。名刺入れを忘れたユーザーにとっては、それを教えてくれたらどんなに助かり感謝することか。何枚か名刺があるし、その他のものもよくみれば本人特定できる情報があったはず。サービス提供者の都合で無難にコトを処置しただけではアカン。心を込めた対応はブランディングのためにも大切ですよ。

視点3:テクノロジー 三菱UFJ銀行というと、フィンテックへの取り組みなど知られていますが、今回はテクノロジーの視点からは実に遅れたおそまつさ。支店・ATMにカメラくらいないの? 色を聞くより、カメラにモノをかざせば済むんじゃ? それに内容物をかざして情報を伝えられれば、銀行側で持ち主を顧客データベースから特定してすぐ連絡もできるでしょうに。ちなみに、米国Bank of Americaでは何年も前から、カードでATMなどを使ったりすると電子メールが飛んできます。

とか思いながら交番に届けて、拾得者の権利について要りません、と答えると、手続きの用紙に一か所ㇾ点と氏名を書いて終了。名刺の電子メールアドレスに連絡してあげればいいじゃない?と思うかもですが、ㇾ点は拾得者情報を持ち主に教えないという項目なので、それと矛盾して手が出せません。

いいことしたのか、そうじゃないのか、ちょっと変だなと感じて交番を離れたのでした。持ち主さんが早く取り戻してますように。

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