出版6年半の書籍「ザッポス伝説」が9刷を重ねた意味 新たな組織論へ
2010年12月初版発行の書籍「ザッポス伝説」トニーシェイ著が、先月(2017年4月)に9刷を発行しました。
読者の皆様に感謝すると同時に、これには二つの意味を感じる。
一つは、組織とマネジメント、そしてハピネスにについての注目度、関心度がますます高くなっていること。
もう一つは、本書の内容が刺激と示唆に富み、時を超えて存在意義のある本となっていること。
原稿を見る前から、このテーマは普遍性がありロングセラーになる、何より読者のためになる、だから日本版を成功させねばならない、と考え、ザッポスCEOトニー・シェイが本書を執筆中と知るとすぐダイヤモンド社の木山さんに相談したことを思い出す。
翻訳の質を高める努力を、木山さんからあきれられるほど重ねた(原文を読んだ方はお分かりだろうが、口語で自由な文体でありハイ・コンテクストな部分もあり和訳は容易でない)。
また、企業文化重視の経営に取り組むファミリーマートやボヤージュグループを招いての出版記念イベントや、電子版の期間限定での無料ダウンロード(ものすごい反響をいただいた)など、本書の成功のために工夫を重ねた。
出版から3か月後の東北大震災の影響で本は売れなくなったが、それでも版を重ねたのは、読者の皆様のおかげです。素晴らしい読者を持てたことに感謝します。
「ザッポス伝説」無料の短い試読版や初期の読者コメントなどはこちらに載ってます。
参考記事:
「ザッポス最強伝説~アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか」
「ザッポス最強伝説 Part2」
さて、組織とマネジメント、そしてハピネスにについての注目度、関心度が高くなっている点について多少説明を。昨年(2016)日本で出た書籍をみてみよう。
昨年初めに、ザッポスが導入中で話題のホラクラシーの本が出された「HOLACRACY 役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント」ブライアン・J・ロバートソン著(参考記事:経営革命に挑むザッポス 管理職をなくすホラクラシーの衝撃! | ザッポス最強伝説 Part2)
そして、昨年末には次の二冊だ:
「ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント」リチャード・シェリダン著
「DREAM WORKPLACE(ドリーム・ワークプレイス)――だれもが「最高の自分」になれる組織をつくる」ロブ ゴーフィー, ガレス ジョーンズ著
そして今年、かつて重版を出版社にお勧めした、ずっと売り切れだったリカルド・セムラー著「奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ」 が、2006年の初版以来やっと増刷となった。小生による書評はこちら。まだ読んでいないなら、ここで紹介の数冊の中では、まずこれを読んではいかがでしょう。下にリカルド・セムラーTED動画を。
この背景として、米国で2014年出版の「Reinventing Organizations」が特筆される。
世界的に新たな組織とマネジメントが求められ、注目されているのだ。
「Reinventing Organizations」と世界の大きな潮流については、より詳しく次
のブログで書いてみたい。