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投資家アジアパートナーズ共同創業者オリバー・リッペルの言葉 エンデバージャパン サミットにて

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10/11/2024に明治記念館で開催のエンデバージャパン サミットに参加したので、少しレポートを書きます。

エンデバージャパンNoteはこちら)とは、ユニコーン企業782,500名超の起業家と約3,000名のメンターを繋ぐ世界最大の起業家支援団体エンデバーの日本チーム。サミットには、アジア太平洋地域を中⼼とする42カ国の起業家・投資家・事業会社が東京に集結した。小生はここのメンターでもあります。

パネルセッション「Cracking the VC code: Raising capital and meeting investor expectations for global expansion」・・今回は、特にパネリストの一人、Asia Partners 共同創業者・パートナーのOliver Rippelのコメントをいくつか。

Asia Partnersとは、筆者がかつてグロース投資の米General Atlanticで仕事をしたNicholas NashSEA (現在時価総額$57Bn)Group Presidentだった)と、Oliver Rippel Naspers CEO of B2C e-commerceだった・・南アフリカ本拠のコングロマリットNapsterで印Flipkartなどに投資)が、2018年に始めたグロース投資(主にスタートアップの後半のステージに数十億円を投資)会社です(CarsomeShopbackなどに投資)。

EndeavorSummitOliver.jpg

ここからは、本サミットでのコメント:

「創業者はとても重要です。言わば、ビジネスに投資するのではない。投資の世界では、バイアスが大きく働く。創業者を気にいると、それを数字で正当化する。あるいは、創業者を気にいらないと、それを数字で正当化する。創業者のアピール、創業者が優れた人材を引きつけられるか。個人として、リーダーとして、おそらくこれが最も重要。」

「デューディリジェンスに確たるルールはない。問題に時間を使い、創業者の心に入っていく努力をする。その人が、どう考えるか、学ぶ力や事業を伸ばす力を理解するよう努める。」

「スタートアップは、将来の投資家候補と早期にリレーションを築くことが非常に大切です。我々はレイターステージで投資しますが、これをよく言います。スタートアップを起業する前職から創業者とリレーションをつくりたいです。シリーズCに投資するにはシリーズBの時には既に知り合っておきたい。」

「控え目にするな。この人に紹介してくれませんか?助けてくれませんか?この国への市場参入へのアドバイスを下さい。このM&A機会をどんなストラクチャーにすればよいか?まだ株主になっていなくても、助けてと叫べ! こうすることで、資金調達する時に大きな違いとなるでしょう。」

「多くの会社は取締役会で業績やアップデートしかやらない。これは大いなる機会損失だと思う。例えば、戦略的なチャレンジが2つあり、日本進出とサプライチェーンマネジメントについて、取締役一人ひとりの宿題にするので、取締役会で議論したい、と伝える。毎月の取締役へのアップデートに加え、大きな戦略的トピックについてアドバイスを得て今後の方向性について取締役会のサポートをもらう。我々は、多くの投資をせず、少数に絞りこんで投資する、とてもアクティブな投資家であり、ハンズオンでありたい。」

【筆者コメント】これらの言葉は、日本のスタートアップにも参考になるのでは? もっとも、日本ではリードインベスターはまれで、かつ数十億円以上のサイズを一社が投資することは少ないですが、米国では当たり前です。Asia Partnersはこうしたやり方を東南アジアで実行。アジアを狙う日本のスタートアップも投資検討するようなので、大きくスケールしようという起業家はつながるとよいかもしれません。

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