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マネジャーがスタッフを注意できない本当の理由

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先日、ある老舗レストランが運営する、駅近くの小規模店舗で食事をしたときのこと。
その老舗レストランはブランド力もあるお店で、食事はもちろんのことサービスのレベルも定評があります。

そのお店に入店したのは、20:30頃。
お店はキッチンがガラス張りで高くなっており、調理されている方の様子もよく見えるつくり。そして、店長(と思われる男性)も感じがよく、テキパキと動き、消毒用のアルコールで、カウンターや手を消毒されている様子が見えました。

店内は、仕事帰りの男性グループ客、女性の二人組み、一人で来店されている方などで、6割近くが埋まっているものの、ほとんどの方が食事は終わって話し込んでいるようなタイミング。

そのようなタイミングだったので、注文したお料理はあまり待つことなく提供され、味も期待通り。とても満足!

・・・な夕食のはずでした。

満足な状況が一転したその瞬間
しかし...、お隣のお客様が会計を済ませ、席を立った瞬間にその出来事は起きました。

店長が、テーブルを片付けはじめると、ポロッと床にダスターが落ち。

店長は片付けを続け、お皿やコップを持ってそこを離れました。
すると、若手スタッフがその後にやってきて、床に落ちたダスターを拾い、拾ったダスターでテーブルを拭き、別のテーブルもそのダスターで拭き始めました。

その光景を見た私は、目が点に。

というのは、学生時代に飲食店でのアルバイト経験が長かった私は、ダスターが床に落ちたらすぐに拾い、洗剤で洗うように指導されてきました。それは「クリンリネスの基本」でした。

しかしその店長は、自分が落としたダスターを拾うこともせず、スタッフがそのまま使用し続けていても何も言わずにいたことに、驚きと落胆が混在する複雑な気持ちがわきました。

そして私の心中では「このことを、言うべきかどうか・・・」モヤモヤし始め・・・
●もう2度と来なければいいわけだし・・・
○でも、自分の仕事柄として、このままにしていいの?
●その席に既にお客様が入ったから、その人が気分を害するのもなんだし
○こういうお店ばっかりになっていいの?
●店長に言うか、スタッフに言うか、それも微妙だし
・・・などなど、ぐるぐると頭の中をめぐりつつ、帰り支度を済ませ・・・

と、モヤモヤしたままお店を出ようとしたその瞬間、
そのスタッフが、ドアを開け「ありがとうございました」と、外に出てくださったので、
(伝えるなら今だな・・・)と思った私。

私:「ありがとう。ごちそうさま。
  あと、さっき、落ちたダスター使ってませんでした?」
スタッフ:「あ、はい」
私:「それって、どうかしら」
スタッフ:「あ、はい。すみません」
私:(と、いうことは「よくない」という自覚があるのか・・・)
  「それは、よくないことですよね。せっかくの信用が台無しだよ」
スタッフ:「あ、申し訳ありませんでした」

注意するのは、本当に疲れる
他のお客様のこともあり、言葉短く伝える必要があったため
・まずかったな
と、思ってくれたか、
・口ウルセー客
と、思われたか定かではありません。

そして、
・客に注意されるこんな仕事、やっぱ面倒だな
と、思って明日から来なくなる、なんてこともあるかな・・・とも考えました。

けれどももしそうであるならば、辞めてもらったほうがいい、と、私は思います。
その理由は、経営する側は、店舗を増やして売上を売り上げや利益を上げることを考えるよりも、従業員の採用・教育をしっかり行い、今、利用してくださっているお客様が安心・安全にサービスが利用できるようにする方が、経営する側が得たいものも得やすいと考えるからです。

その上で、あらためて直接指導する側に視点を戻すと、多くのマネジャーが「注意すると、すぐに辞める」と言い「注意がしにくい」と、感じているようです。確かに注意することはエネルギーを使います。(私も、たったこれだけのことを伝えるか伝えないかで、本当に疲れました)
では、私を指導していたマネジャーやリーダーは、どうしていたか。今思うと、注意をすることを前提とした指導はしていませんでした。

注意しなくても、しっかりやってくれるその理由
では、どう指導していたか。マネジャーやリーダーは、例えば、ダスターを落とした際は速やかに拾い上げ、小声で「失礼しました」と言い、そのままバックヤードに入り洗浄していました。

その姿を見ているので、私も他のスタッフもダスターを落としたときは、同じように振舞いました。

そして、マネジャーやリーダーは、いつも
「今日、お客様はどうされたいだろう?何かアイデアある?」
と、従業員に問いかけていました。

そのため、
「どうしたらお客様が喜ぶか?」
「何がお客様にとって不快か?」
を自然と皆で考える職場になっていました。

注意がしづらい上に、響かなくなるその理由
一方で最近は、
「客数」「客単価」「売上」「利益」「効率」「人件費」
が会話の中心になっている職場が多いのではないかと推察します。

こうなると、注意がしづらいだけでなく、注意が響かない環境になります。

例えば、最近問題になっているSNSへの動画投稿なども、「なぜお客様視点で考えられないのか」とのコメントが寄せられていますが、日々求められているものが上記のようなものであるならば、お客様視点が養われようもありません。

このことから思うことは、まずは、組織全体として、
・日々の判断基準や優先順位
・日々使われている言葉
を点検することが大事だと思います。

そして、自社の存在意義や価値をもとに、「本当はどうあるべきか」を問い直し、それを基点に判断基準や言葉、態度、行動の様式を1つ1つ確認し、書き換えることが必要です。

また、会社全体でそのような取り組みが成されなくても、上記の点をもとに自分の職場を見直せば、お客様の満足を得た上で、会社の要求も満たすことが可能です。特に、できている組織とそうでない組織が大きく2極化している昨今。取り組めば、確実に手応えが得られることでしょう。

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