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「指示待ち」を「自立的に動く」チームに変えるリーダーの習慣

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 「人を通じて成果をあげること」これがリーダーの仕事です。しかしその成果のあげ方は、リーダーの考え方よって大きく異なります。メンバーが自立的に取り組み成果をあげるチームもあれば、リーダーが指示を明確に出すことで動くチームなど。

 どんなチームを目指すかはリーダー次第ですが、仮に「自立的なチームをつくりたい」と思っているのに、「指示待ちのメンバーばかりで・・・」と、ギャップが生じている場合は、リーダーのちょっとした習慣の変え時です。今回は、メンバーの積極性や前向きさ、ひいては自立的に成果をあげられるチームづくりをしていくために、リーダーが知っておきたいリーダー自身の習慣についてお伝えします。

あなたはどっち?
 唐突ですが、下記の図を見てどんなことを考えますか?

2016年5月 ブログ.pngのサムネイル画像のサムネイル画像 ほとんどの方が「円の切れ目」に意識を向けると思います。
 「何でここで切れているのだろう?」と。

 さてこれが、任されたチームの前年度の業績達成度合いだとイメージしてみてください。切れている部分が未達の割合で、おおよそ15%程度の未達だったとしましょう。

 15%の未達に対し、どんなことを感じ、このチームに対しどうアプローチするでしょうか?

 仮に、以下のAB2つの着眼点があるとしたら、どちらの着眼点を選ぶでしょうか?
 A:未達成の部分に目を向ける
 B:成果が出ている部分に目を向ける

 「どっちともいえるな~」や「よくわからないなぁ」という方は、
 最近のご自身の状況などを振り返ってみて、
 ・いろいろな改善を図っているが、なかなか効果が出ない・・・
 ・やってもやっても・・・の自転車操業状態で、疲弊感がある・・・
 こうお感じになっている場合は「A:未達成の部分に目を向ける」着眼点で捉える傾向が強そうです。

 もしそうれであれば、・・・「B:成果が出ている部分に目を向ける」という着眼点を試す価値があるかもしれません。

日々積もっていく、疲弊感、焦燥感、負担感・・・それはなぜ?
 それでは、「成果が出ている部分に目を向ける」とは、いったいどういうことなのでしょうか?

 それを教えてくれるのが、次の書籍です。
 『自らをマネジメントする ドラッカー流「フィードバック」手帳』 井坂康志(ドラッカー学会理事)+フィードバック手帳研究会 著 かんき出版刊
999c69aadc9458f356412e06d4e44dd9.jpgのサムネイル画像 実は私はここ数年、毎夜「自分が得たい成果目標、1日の振り返り、1日の感謝」をする目的で、「ノート」をつけていました。これを始めたきっかけは、「成功している人は日々、目標を設定し、振り返ることを習慣化している」といった話を様々な書籍から目にしていたからです。

 実際この習慣により、ある程度の成果が上がっていました。しかし、段々「ただ続けているだけ」の状態になり、この習慣そのものが「重荷」に感じられるように。ついには、「成功している人がやっているんだから続けよう」と自分に言い聞かせ、「これをやらなくなるほうが怖い」という恐怖心のようなものまで芽生える始末。

 「なぜ、重荷に感じるんだろう・・・」

 その原因はわからなかったのですが、5月の連休中に「いったん休もう」と考え、振り返りを休むことにしました。そして連休後、改めて再開するにあたり、自分に合う方法を探していました。

 そんな折、『自らをマネジメントする ドラッカー流「フィードバック」手帳』が手元に届きました。その帯には、「自分を変えず、強みを生かして、成果を最大化する。」と書かれています。

 ドラッカー氏と言えば、GE、GM、IBMの指導にあたり組織の発展に多大なる影響を与えた「マネジメントの父」と呼ばれる存在。そのドラッカー氏自身が50年間取り組み続けた手法、それが「フィードバック」。

 その「フィードバック」を「手帳」というツールを用い、誰もが取り組めるようにまとめられたその書籍に、「ヒントがありそう・・・」。そう直感した私は、貪るようにページをめくり続けました。そして、なぜ自分が1日の振り返りを重荷に感じるようになったかーその理由がわかったのです。

 その理由とは、私が数年にわたり続けていたのは、「うまくいっていないこと」を克服するアプローチが中心。「未達成部分」に目を向け、それを補完・強化することに重きを置いていたからでした。すなわち、自分の不得意なことや苦手なことを克服しようと努力し続けていたのです。

向ける視点の違いで成果は大きく変わる
 一方同著では、「自分の強みを伸ばせ」と伝えています。言葉を変えると「成果が出ている中に、まだ伸びる芽を見つけ、それをさらに伸ばすことを考えよ」と解釈できます。

 加えて、次のようにも書かれています。

○多くの人は、自分の強みを、自分で知らずにいる
○「強み」の見極めのポイントは、「成果」がでているかどうか
 →どんなに、意欲や熱意を持って取り組んでも成果が上がらないことは強みでない
  反対に、意欲や熱意がないのになぜか成果が挙がることは、
  「強み」の可能性がある。
○なるべく自分を変えず、「強み」を生かして成果を最大のものとせよ。

 「自分が理解している以上に、強みは存在している
 「強みを見つけることが、成果の近道

 ・・・そうか。

 努力しても、成果につながっていないことは、強みではない
 ・・・だから、止めていい

 この見極めができていないことに気づかされたのでした。

 そこですぐに「フィードバック手帳」による振り返りをスタートし、今日(5月27日時点)で2週間ちょっと。現段階での感想は、「フィードバック」と「目標設定」が楽しみ。そして、朝の出社時間が早まるという副次的効果も。

 気持ちが楽になり、力みが抜けた

 ようです。

 さらに、仲間を見るときの目も変わりつつあります。「○○さん、今見えている以上にすごい強みがあるのかも・・・」そう思うと、とてもワクワクするのです。

 と、私の個人的な体験を通じた変化はここまでです。

 しかし、仮にこのまま続けていくと、チームの動きも大きく変わると予測しています。それが冒頭の、「自立的に成果があがる」につながる部分です。恐らく、一人ひとりの動きが変わり、今まで「成果」と考えていたものよりも、「さらに大きな成果」が生まれそうな予感がしています。

 また折をみて、進捗をお伝えします!

なぜ今、強みに着目する「フィードバック」が必要なのか?
 著者の井坂康志氏は、ドラッカー氏の著書の翻訳者としてのみならず、ドラッカー氏の思想を伝えるために学会の立ち上げに参画。その思想の背景にあるものを含めて、一人でも多くの人に役立ててもらえるよう活動されている方。そのような取り組みをドラッカー氏自身も評価され、氏の自宅にて最晩年の単独インタビューに臨む機会にも恵まれています。

 その井坂氏が、本人が明かすことのなかった「フィードバック」という手法を、体系立て、誰でも取り組みやすくまとめられたのがこの書籍。今、多くの人が感じている未来への「不安感」「焦燥感」を、「フィードバック」という手法を用いて「希望」や「期待」へと変えることを、ドラッカー氏に託されたのでは・・・そんなことまで感じさせます。

 「希望」や「期待」にあふれ「自立的」に動くチームづくりを目指すリーダーに、お勧めの手法が「フィードバック」。

 まずは、ご自身の「強みに着目する」習慣、つくってみませんか?

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