提案がうまく通らないときに
今日あたりから店頭に並び始めている「ファッション販売」の特集は、「知ってて得する 接客・販売の勘所」。その特集の一部に弊社コンサルタントの飯嶋が「顧客管理編 顧客は6段階に分類して攻め方を変える(P30-31)」というテーマで寄稿しています。
実はこの寄稿に至るまでには、誌面へのご提案前に、社内でのちょっとしたやり取りがありました。
昨年、10月ぐらいだったでしょうか。「ファッション販売様向けに提案したいので、提案できそうなテーマをまとめてください」と、コンサルタントに相談したのは。
すると、いくつかのテーマがあがってきたのですが、そのうちの1つが「CRM」。
「CRM」は、ITに携わる方にとってはおなじみの言葉かもしれませんが、現場で販売に携わる人にとっては「顧客管理システム」ぐらいのイメージで、あまりピンときません。まして、顧客を管理するという言葉のイメージが受け入れられないのではないか・・・という第一印象を持ちました。
しかし、作成された資料をよく見てみると「CRM」という言葉を使っているものの、一番伝えたいことは「顧客とお店の関係性を6段階に分け、スタッフ側からのアプローチを変える」というもの。「顧客を6段階に分ける」という発想を持つことで、自店舗で重点を置いて取り組むことが明確にできることや、ご来店されている方の様子により変えるべき会話の進め方などが区分けしやすい、ということが、「CRM」という言葉にまとまっていることが理解できました。
さらに、コンサルタントの次の話を聞いてようやく腑に落ちました。それは、
「店舗では、本部からの方針や販売促進部門などから、色々な施策がおりてくるので、どうしてもそちらに意識が向きやすい。しかし、本来私たちは顧客を基点に何をすべきかを考えて行動しなくてはならない。一人ひとりの顧客が何を望むかを見極めやすくする。それとあわせて、そのブランドの価値や取り組みを理解していただくように進めていかなければならない。そのためにも、6段階に分けてアプローチを考えることで、何を意識し取り組むべきかがわかりやすくなる」
という話です。
そう言われ、ようやくなぜ「CRM」という言葉を使ったのかがわかりました。
(一方で、もう少しそのイメージが伝わりやすくなる新しい表現を考えてみては?という話もしましたが)
以上のことから、提案を受ける側というのは、「先入観」があるので、その「先入観」で判断しやすいということ。そして、その「先入観」を持ったまま話を聞くと、本来捉えるべきことを捉えられなくなること。自分が提案を受ける立場のときは、「本当に伝えたいことは何か」に意識を向けることが大事なことにあらためて気づきました。
また、自分が提案する側の場合は、人には「先入観」があることを念頭におき、伝えたいことがもっとも伝わる表現を工夫することや、「一番伝えたいことが何か」をできるだけ具体化し、ゆるぎなく伝えることが大事である、ということです。
社内や社外への提案で、企画やアイデアに対し、よい反応を得られなかったとしても、そこであきらめずに、「なぜこうしたのか」や「なぜこれが大事なのか」を伝えることで、徐々に理解が進んでいくことは多々あるんだということを、今回のことでより深く理解したのでした。
そのような社内でのやり取りがあった上で出来上がった誌面。一人でも多くの人に役立てていただきたいなと思います。
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