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上司の助言~組織目標に応える意味

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 「言葉が、人生をつくる」。誰かの一言が、いつの間にか自分を育ててくれていることがあります。しかし、その一言をいつも覚えているわけではありません。悩んだとき、困ったとき、判断が必要なときにふと思い出し、元気になったり、勇気づけられたり、決心につながったりすることがあります。そうした自分を励ましてくれる言葉は、本当にありがたい存在です。しかもそれは、お一人お一人にとって特別なもの。
 そんな特別な言葉を、思い出すきっかけになればと思い、私のつたない経験をつづります。

 今回は、新入社員時代の最初の上司の言葉から。

 生命保険会社時代の最初の上司は、和風美人。色白で線が細く、楚々とした空気感を漂わしていましたが、その内面はとても愛情深く、強い一面を持っていました。私が新人で、吸収力も高い時期だったからかもしれませんが、その上司からはずいぶん多くのことを学び、また、今も影響を受けています。

 特にその中でも印象的な言葉が3つあります。今回は1つ目。

 私が生命保険会社に勤務していた頃の営業職には、主に、プロの営業職としてフルコミッションの制度と、育成対象として基本給の上に業績給が加算される制度がありました。私は後者の扱いでした。

 育成対象のメンバーは、成果を出しても出さなくても給与は保障されていました。そのため、7割方のメンバーは、業績への達成意識は低くなりがちでした。営業部には、営業部予算があり、それは個人目標の積み上げによって成り立っています。しかし、メンバーはどちらかというと「今月できなくても、まっ、来月がんばればいいか」という感覚でした。

 しかしそれでは組織目標が達成できないため、「まっ、いいか」と、いうメンバーに対して、エリアの責任者、部長、副部長、チームリーダーたちは、躍起になって「目標達成!」と発破をかけます。それは、朝礼などでの訓示であったり、「これをやったら、○○をあげる」といったアメとムチ作戦であったり。

 そんな環境の中で、私の上司は次のような言葉をかけてくれました。

仕事の目標は、あなたが将来選べる立場になるためのものよ。だから、できることはやりなさい。

 そのときの話の流れは、次のようなものでした。ある一定期間を経た営業職は、必ず次のキャリアを考える時期がくる。それは、プロになる、チームリーダーになる、あるいは、スタッフ部門を担う。どの道にいくにしろ、今作っている実績が、自分の将来を左右する。自分が行きたい道を選択できるようにしておくためにも、とにかく、実績を上げておくこと。それは、自分のためになる、という話でした。

 この話を聞いた時は、自分の将来についての明確なイメージがなかったため、それほどピンときていませんでした。一方で、上司の話がとても大事なことだと感じられたので、以降、数字にはこだわって仕事をしました。

 その結果、生命保険会社時代にある程度の成果をあげたことが自信となり、今の人材育成の仕事につながっていること。そして、組織から与えられた目標を、自分ごととして捉える習慣がついたことで、「どうしたら成果をあげられるか?」という工夫する力がついたと思っています。

 仕事を「選ぶ」ことができるかどうかは、その時々の状況で変わりますが、選べるように努力したことで「選ばれる人」には近づいている。そう思える言葉です。

~夢を創り、夢を育む~出あいに、感謝

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