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日本や日本人って何だろう。改めて「海外」を考えるヒントを身近な話題から

東大生6人から成る「ソノダバンド」が海外から凱旋デビュー

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ノーベル化学賞を受賞されたパーデュー大学の根岸教授は、「若者よ海外へ出よ」「私は受験地獄の支持者だ」と語ったらしい。

本件は、これを全く別の形で実現しているのでは?と感じた次第である。

ある意味、「受験地獄での優秀な生き残り者」である東大生が、クラシックベースのインストルメンタル・フュージョンバンドで海外に出て行くとは。。これぞ、グローバルニッチ戦略。

しかも、男の子たち。普通のOLとか一般職になるよりもタレントになったほうが人生面白いかも。。という「ミスxxx大」の女子大生とは事情が違う。平凡に「東大卒のサラリーマンで旨くやっていこう」と思えばできただろうに。。しかし、東大とは言え文学部系の学科だと、就職戦線もそれほど楽ではないのかも。。

と、そんなことを考えながらいろいろ調べていくと、このバンド、公式サイトやWikipediaなどでは、東大生云々を宣伝する記述が一切なく、純粋に音楽性だけで勝負しようとしている意気込みが伝わってくる。年寄りの邪推とは全く関係のない世界で生きているのかも知れない。

海外進出も「東京での大会で優勝した副賞」という経緯だったようで、いわば偶然の産物。意図した戦略とか、「何が何でも一旗あげる」というガツガツした感じではないのが、今風のサクセスストーリーなのかも知れない。

音楽的には、1990年にメジャーデビューを果たした葉加瀬太郎率いる東京芸大バンド「クライスラー&カンパニー」に、もう少し色んな20年間分の味付けがついた感じ。
私のようなマニアックなフュージョンファンしか知らない「スパイ」というバンドにも似ている。

YouTubeにはこんな感じのPVが出ている

1) 葉加瀬太郎の「情熱大陸」+フュージョンっぽいベース+Perfumeの「ピコピコ感」


YouTube: Soul River_2010 【PV】 / ソノダバンド

2) ドラムソロから始まって、出だしがロックぽい。「ヴァンヘイレンが出てきてジャンプ!かと思ったら、バイオリンが出てきてカンサスみたい」って感じ


YouTube: Black Day / ソノダバンド

3) ハードボイルド系ドラマのBGMのような曲


YouTube: Take Me To The Carnival / ソノダバンド

こうやって聞いてみると、音楽の流行も中期景気変動の波と同じく20年周期くらいで時代は繰り返すのだろうか。

「20年単位の循環」というのは、マクロ経済的には「クズネックの波」ということで建築寿命に起因するそうだが、音楽やファッションの流行の場合、「親子という世代の循環」が影響するような気がする。おそらく子供が生まれ育ったときに親が聞いていた音楽が刷り込まれており、無意識のうちに再現されているのではないだろうか?

そういえば、「少女時代」も、元祖の元祖はモーニング娘。ではなく「韓国版キャンディーズとかピンクレディ」に今風のダンスを加えたものと言えるかも。

ちなみに、このバンドのメジャーデビューCDは10/20発売予定。

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