【後編】地域活性に貢献するkintone―ワインツーリズムやまなし取材―
こんにちは。葉月へちまです。
前回に引き続き、今回も「ワインツーリズムやまなし」のkintone活用事例をご紹介していきます!
まずは「ワインツーリズムやまなし」の専用アプリについてのご紹介です。
○「ワインツーリズムやまなし」専用アプリ
株式会社ダンクソフトの開発したスマートフォン用アプリで、無料でインストールができます。
各ワイナリーにビーコンという専用の機械が設置されていて、
近づくと自動的にアプリが起動し、
各ワイナリーの紹介や取り扱っているワインの解説をしてくれるのです。
今回このビーコンを79個、配置されたそうです。
ワイナリーの紹介文章、編集は「ワードプレス」を使用しています。
「ワードプレス」であれば、ブログに投稿するような感覚で、簡単にWEBサイトを作成・編集することができます。
このように「ワインツーリズムやまなし」のアプリは、「ワードプレス」を活用することで読みやすく、分かりやすいワイナリー紹介記事を表示しています。
kintoneの役割は、このワイナリー紹介記事とビーコンの関連付けをすること。
これでワイナリーの情報を簡単に更新できるのです。
もう一つ! このアプリには機能があります!
それは参加者の訪問ルートを確認できる機能です。
こちらは、アプリがポップアップした時に、任意の特定されたIDを記録していきます。
個人が特定されないIDでどのツーリストがどこのワイナリーを回ったのかを把握でき、翌年の計画に生かされるというわけです。
ただ、残念ながらこのアプリは2015年秋の開催直前、十分な告知の間なくリリースとなり、ダウンロード者数が少ない状態で当日を迎えたため、まだ利用者の反応を十分に掴めていないというのが現状のようです。
さらに改善が加えられ、より深く「ワインツーリズムやまなし」を味わうためのオプションアプリとなる日が、いまから楽しみですね!
○アプリを使用するようになった経緯
「ワインツーリズムやまなし」のアプリを作ろうと思い立ったのは、2015年7月に株式会社ダンクソフトのセミナーに大木さんと井上さんが参加されて、「神山のガイドさん」というアプリの存在を知ったことがきっかけだそうです。
【神山のガイドさんとは】
アプリ「神山のガイドさん」は、徳島県神山町で開催されたアーティスト・イン・レジデンスというアートプロジェクトの制作作品を紹介する無料アプリです。
神山町には、1999年から毎年開催されているアーティスト・イン・レジデンスのアート作品が町の随所にあります。
こちらもアートごとにビーコンが設置されているため、近づくとアプリが起動し、解説が表示されます。
アート作品を楽しみながら神山町を散策してもらおうというのがこのアプリの目的です。
「ワインツーリズムやまなし」のアプリもこのアプリを参考とし、目指すところはここにあるんですね!
さらに「ワインツーリズムやまなし」のアプリは、今後ガイド機能だけでなく、リアルタイムの情報をキャッチできる機能も追加する予定だとおっしゃっていました。
たとえば、「ワインツーリズムやまなし」で問題となるのがバスの運行問題。
人気のあるワイナリーに向かうバスに人が集中してしまってバスに乗れなかったり、バスが時間通りに来ず、不満が生まれてしまったりということがあるようです。
バスの運行状況をアプリで瞬時に確認できるようになったら、こうした問題の解決にも繋がります。
もしこの機能が実装されたら、よりワイナリーめぐりのプランが立てやすくなって、「ワインツーリズムやまなし」をもっともっと楽しめそうですね!
○kintoneを導入してみて変わったこと
最後に皆さんに、kintoneを導入してみてどう変わったか、聞いてみました。
大木さんは、「とても説明しやすくなった。参加者数、売り上げ、実績を分かりやすくまとめることができ、説得力が生まれた」とおっしゃっていました。
たしかにkintoneは集めたデータからすぐに分かりやすいグラフや表を作成できますからね!
kintone導入を薦めた井上さんも大木さんのコメントを受けて、
「kintoneは仮説・検証のためのツール。kintoneを通じて表されたデータをみて、客観的にこの企画の現状を把握することできた」
とおっしゃっていました。
というのも、kintone導入前は全くデータがなく、「だいたいこのぐらいの参加者がいて、このぐらいの収益だと思う」という曖昧な情報しかなかったといいます。
井上さんはkintoneで表示されたデータを見て、大木さんたちが言っていた実績に納得がいったそうです。
さて、主にkintoneを使っているのは大木さんと井上さんだけ。
でも今回の取材に参加していただいている鶴田さん、須藤さんにもなぜkintoneを使用されないのか、またkintoneを導入してから変わったことはないかを聞いてみました。
kintoneを使用しない理由はお二人とも
「ITツールの活用の仕方がよくわからない。コミュニケーションをとるのは直接会ったほうが楽」
とおっしゃっていました。
......なるほど。離れていてもコミュニケーションがとれるというのがITツールの魅力だと思っていたのですが、馴染みのない人にとってはとっつきにくく、逆にコミュニケーションが取りづらいと感じる方もいらっしゃるんですね。
それでもkintoneを導入してみてよかったと思うところはないですか!? と聞いてみたところ、実はお二人ともkintoneのデータをPDFファイル化し、会議や外部の人に説明する時の資料として活用されているんだそうです!
鶴田さんは
「外部の人から、参加者はどのぐらいで実績はどの程度かと聞かれることが多い。そんな時はグラフを見せるとすぐに理解してもらえる」
とおっしゃっていました。
たしかにグラフをみたら一発で分かりますもんね。
須藤さんは
「参加者がどこからどのぐらい乗るのか、当日の予定はどうかというのがひと目でわかるのがありがたい」とおっしゃっていました。
なるほど、バスの手配をされている須藤さんにとっては必要不可欠なデータですよね。
直接使用されていないお二人にとってもkintoneに集約されたデータが役に立っているということがわかり、安心しました。
○おわりに
今回の取材で新鮮だったのはやはり鶴田さんと須藤さんの感想です。
これまでkintoneを使っていらっしゃる方のところへ取材に行っていたので当然といえば当然なのですが。
やはりITツールというだけで手を出しづらいという方もいらっしゃるんですね。
お二人とも大木さんや井上さんにkintoneから抽出してもらったデータを確認しているということで、直接kintone上でデータをみることはほとんどないそうです。
うーん、これからkintoneがお二人にとっても、使いやすくとっつきやすい存在に変わっていくと良いですね。
私もkintoneになじみのない人に、kintoneがとっても便利で誰でも使える簡単なツールであることが伝わるように、これからも記事を書いていきたいと思います!