新しいを楽しむ!-ITツール導入に積極的な徳力団地幼稚園【デジタル連絡帳】の事例-
こんにちは。葉月へちまです。
2021年6月1日(火)、4月からkintoneの【デジタル連絡帳】を導入されている(学)黒木学園認定こども園徳力団地幼稚園(以下、「徳力団地幼稚園」)の導入報告会に参加させて頂きました。
今回はその模様をお伝えしていきますね!(kintoneのサービスについてはこちら)
○【デジタル連絡帳】とは
「デジタル連絡帳」とは、子どもたちの成長・発達に寄与すべくサイボウズ株式会社が開発した、保護者・教師・学校が子どもの情報を共有、支援連携できるkintoneのアプリです。
特徴はkintoneらしく、
- 自分たちで状況や目的に合ったアプリに変更できる
- 閲覧や編集などアクセス権の設定が柔軟にできる
という点。
実は【デジタル連絡帳】については、以前「特別支援学校の教科書として活躍する【kintoneのデジタル連絡帳】」という記事で紹介しているのですが、2019年当時はまだ、ITツールの導入に積極的でない先生も多くいらっしゃる印象を受けました。
しかしコロナの流行以降、社会全体でリモートツールへの注目が集まっている現在、いったい徳力団地幼稚園ではどのように導入を進めていったのでしょうか?
○導入の経緯
2020年9月、「デジタル連絡帳開発プロジェクト」に参加したことをきっかけに徳力団地幼稚園では、
- 園内でのコミュニケーション
- 園と保護者とのコミュニケーション
上記2点を重視したデジタル連絡帳アプリの作成を始めたそうです。
それまでは紙の連絡帳を使用していたとのことで、いきなり【デジタル連絡帳】となると、予算的に厳しそう......と予想していたのですが、
このように幼稚園側の負担を多少増やすことで、保護者側の負担は紙形式の連絡帳の使用料と変わらない金額で導入できたそうです。
思っていたより、【デジタル連絡帳】の導入ハードルは低いみたいですね!
○運用開始までの流れ
徳力団地幼稚園では、実運用までに入念な保護者説明やデモ運用を実施していました。
その間、保護者の方からも意見を集め、運用までにアプリを改良していったそうです。
kintone導入にあたって一番の不安要素だったのが、セキュリティ面。
ITリテラシーは世代や職業によってバラバラですからね......。
そこで徳力団地幼稚園は運用開始時、保護者の方が使い方で迷わないよう操作マニュアルや、
ITリテラシーについてわかりやすくまとめた「身近な安全対策5か条」という資料を配布。
ここまでフォロー体制が万全だったら、保護者の方からの賛同が得られたのも納得です!
しかし事前準備の話を伺っていると、ずいぶんスムーズに進められてますよね......もしやITツールの導入は初めてではない? もしくは専門的な知識のある先生がいらっしゃるのでは!? と尋ねてみましたが、答えはノー。
「はじめは不安でしたけど、kintoneはデジタルの知識がなくても使いやすかったですし、『新しいを楽しめ』という園の方針により、積極的に取り組みました」
どうやら【デジタル連絡帳】という新しいツールの導入に積極的なのは、園の性格によるところも大きいようです。
○徳力団地幼稚園の【デジタル連絡帳】活用法
デモ運用で改良を重ね、ついに今年の4月から、0才児:7名 1才児:13名の計20名を対象にスタートしました。
年齢の選出の理由は、言葉で伝えることのできない0,1才児がもっとも連絡帳の重要性が高いからだそうです。
基本的な使い方としては、保護者に家庭での様子を入力してもらい、
保育者が園での様子を入力するという、
通常の連絡帳と同じつくりです。
本来、保護者ページと保育者ページが1つにまとまったアプリなのですが、「保育者ページは責任者側がチェックしたものだけを保護者に公開したい」という要望のもと、2つのアプリに分けています。
希望に合わせて簡単に変更できるのも、kintoneの魅力の一つですよね。
最初の1週間は質問の受付期間を設けていたそうですが、特に問題なくスタートできたそうです。
○【デジタル連絡帳】以外の利用アプリ
徳力団地幼稚園では、【デジタル連絡帳】アプリ以外にも複数のアプリを活用されています。
お知らせページでは、
このように元気に過ごす子どもたちの姿が報告され、
給食の報告ページでは、
子どもたちがその日どんな昼食をとったのか写真で確認することができます。
運用開始1ヶ月後の保護者アンケートでは、
- 連絡帳記入時間が短縮された
- 子どもたちの様子を、園に送迎に来られない家族とも情報共有できた
- 朝、泣いて別れた子どもが笑顔で過ごしているところが確認出来て安心した
- 給食の時間などこれまで知ることのできなかった子どもの日常を知ることができて嬉しい
という声が寄せられ、保護者にとっても便利で安心できるツールとなっているようです。
ちなみに保育者側からは
- 誤字脱字の修正や、お知らせの追加がしやすくなった
- 提出漏れや確認漏れがなくなった
- 連絡帳にかける時間が短縮されたことで、子どもと接する時間が増えた
という感想が上がっていました。
これまで電話や送り迎えの際に口頭で確認していたため確認漏れや集計に時間がかかっていた土曜日の預かり保育などのイレギュラー対応も、kintoneで漏れなく簡単に集計できるようになりましたし、
「園児の成長記録」に関しても、
先生たちで小まめに情報共有することで、より丁寧な保育環境が整えられたそうです。
【デジタル連絡帳】が先生たちの業務改善に繋がっているのがよくわかりますよね。
現在は0,1歳児を対象としていますが、このまま保護者が気に入り、今後も継続して使ってほしいという声が上がるようになった場合は、保育園にいる間はずっと使えるようにしていくとのことでした。
○おわりに
現在、徳力団地幼稚園では感染症対策のため保護者を園に入れず、門のところで、お子様をお預かりするという対応をされています。
コロナ禍前は自由に園に入って子ども達の様子を参観出来ていた保護者の不安を取り除くため、保護者に向けた情報提供の方法を模索し、【デジタル連絡帳】に行きついたそうです。
コロナ禍で急速にITツールの需要が高まっていますが、徳力団地幼稚園の導入までの迅速で丁寧な対応は、「どうすれば子どもたちの幸せを守れるか、保護者にどのような支援ができるか」ということを常に意識し、必要とあらば積極的に新しいツールの導入を試みるアグレッシブなスタンスだからなのではないかと感じました。
引き続き、保護者と協力して【デジタル連絡帳】などのアプリを改良していくということですので、今後も注目していきたいと思います!