アウトプットが大事
速読の講習会を受けたときに、人の脳のはたらきは、
① インプット(入力)
② プロセッシング(処理)
③ アウトプット(出力)
に大分される、という話を聴いた。
この話は心理学の勉強中にも出会い、「人の記憶のメカニズム」の中で触れられていた。
この3つの用語はコンピュータの基本処理と同じ・・なるほど、人間が開発した技術はやはり人間の思考方法に最も近い様式に落ち着くということか。と思わず納得してしまう。
閑話休題。
以前から感じていたことなのだが、「アウトプット」には個人差があり、人格の一部を形成するほどに重要なことだと思う。同じ映画を観ても、出てくる感想は三者三様。みな様々な視点で色々なことを考えている。考えたことを口に出す際、何をアウトプットしたいかは人によって異なるのだ。
アウトプットで損をしている人は少なくないと思う。
例えば、
・ 話題が飛んでしまって、周りとの会話の波長があわない
・ 説明下手で、自分が知っていることを相手にうまく伝えられない
・ 相手が理解していないことを理解できない
・ いつも聞き役なので、急に話題を振られても何を話していいかわからない
・ 笑いをとっているつもりなのに、笑ってくれない etc.
その人となりを表現するのに、アウトプットはとても大切である。ある情報を受けて、その人がそれをどう感じてどう解釈し、どう思っているのかをアウトプットする・・自分が感じたことを他の人に伝えるということは、あまりにも当たり前のことではあるが、怠ってしまっては人格形成にもヒビが入ることになる。
夫婦やカップル、または親しい友人の間で「そんなことまで言わないとわからないものか・・」という思いを経験したことがあるかもしれない。そう、どんな些細と思うことでも自分の外に出さないと相手には通じないのだ。
アウトプットは形式も形態もさまざまで、もちろん、ルールや手本などは存在しない。その場・状況に応じて自分自身が考えて形成するものだ。
ただ、コミュニケーションを円滑にするうえで、役に立つかも・・と思うことがある。それは、聞き手・話し手との会話のキャッチボールを意識することである。
相手の質問や話題に都度反応し、場面場面で自分が感じたことやどう捉えたかを、アウトプットとして発する・・簡単すぎることではあるが、これにより相手は自分の考えや行動パターンを理解してくれるようになり、ひとりよがりで一方的なアウトプットではなくなるはずである。この繰り返しで、より一層の信頼を得られるはずである。
現代では、テレビやゲーム、インターネットの普及により受身の姿勢での情報入手が多い。これらに頼りすぎると、インプット過多な情報処理になるといえる。コミュニケーションは情報の相互通信と考えれば、アウトプットをもっと強化すべきではないかと思うのである。各人が周囲により一層の情報を発信することで、お互いが共有できるものが増え、より刺激的な情報交換ができるはずなのである。