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FD について考える

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昨日、FDセミナーを受けてきました。フロッピーディスクではありません、念のため (^^;)。
FDはファカルティ・ディベロップメントの略で、大学教員の能力開発のためのプログラムであり、昨年より全国の大学で義務付けられた制度です。


少子化により就学希望者よりも大学の募集枠のほうが数が上回るという時代、大学も競争本格化というところです。また、学生の意識も時代とともに変化し、大学 = エリートの道 がいまやユニバーサル化がうたわれ、「とりあえず大学ぐらい行っとく」、あるいは「自分のやりたいことを大学に行ってから見つける」、といった者が少なくはない世代のための時代とニーズにあった学部の新設やキャンパスづくりに必死です。その状況下、教授にまかせっきりになっていた教育方法にも手が入り、大学には「学生が期待する講義を適切に受けられるように」、「成果を評価できるように」との指導のほか、教授に対しては「よりわかりやすく」「考察を要する」「双方向の」、といった教育に工夫を施す必要に迫られています。

FDとは何か、を海外に留学して学問として学ぶ教授や学者も出てくるでしょう。ですが、学問のままでは活用できる状態に熟されたものとはいえず、ただ知識や用語が広がるだけで状況は大きく変わりません。では何をすればいいか。我が家の子育てと同じように、状況にあわせてああでもないこうでもない、と試行錯誤するしかないのです。学校に最適な方法は、その学校に所属している人々が最も理解しているはずであり、ありものをあてはめたとしても成功するはずはありません。

ああ、これは企業で言っていることと同じなんだな、と急に親近感がわいてきます。ようやく企業組織と学校とに共通の課題が見えてきたような気がします。学校の先生、一緒にがんばりましょう!民間の企業にだって沢山グッドプラクティスはころがっていますよ。

ちなみに、昨日参加したセミナーは大変中身の濃いもので、↑で言っているような単純な知識のひけらかしなどではなかったことを付け加えておきます。学校の実態を今までやったことのない切り口で調査し、その結果を細部にわたって丁寧に解説してくださいました。ただ、学校関係者の方ばかりでもう少し勉強してから参加させてもらえばよかった。。と反省です。

それにしても我々日本人にとって、横文字の仕様はハードウェアの場合は受入れやすいのに、組織や制度になると途端に拒絶反応が出てしまいますね。「我々は日本人だし・・」「アメリカとは違うんだから」と。生活がどんどん欧米化している世の中、ソフトウェアやヒューマンウェアの改善に横文字の仕様が投入されるのは必至でしょう。何がどうあっても転ばない、変化に対応できる組織でありたいものです。

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