マッコウクジラが温暖化を防止する
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ロイターに興味深い記事が載っていました。マッコウクジラの排泄物に含まれる鉄分が植物プランクトンの発生を促し、二酸化炭素吸収に役立つということです。
オーストラリアの海洋生物学者チームは16日、南洋に生息するマッコウクジラが、排泄行為を通じて二酸化炭素(CO2)排出量の削減(カーボンオフセット)に貢献しているとの研究結果を発表した。海に大量の鉄分を放出することで、CO2吸収に役立つ植物プランクトンの増殖に役立っているという。
マッコウクジラの主な食べ物はイカであり、深海に生息するダイオウイカと格闘するといったイメージがありますね。イカにはミネラルが豊富に含まれており、それをマッコウクジラが補食して太陽光が当たる海面近くで排泄することによって、植物プランクトンの発生が起こるわけです。
この鉄分の供給は、実は地球温暖化対策の切り札と言われており、日本各地で発生している海の砂漠化=磯焼けを防止するために実際に鉄鋼スラグと腐植物質を海洋に流すといった取り組みも進められています。もともとは、広葉樹から微生物によって生成されるフルボ酸等の腐植物質が河川から流入することが大きな働きを示しているとも考えられています。
これらの研究が進めば、世界第6位の海洋面積を誇る日本において、鉄鋼産業を中心に新しい温暖化ソリューションビジネスが展開できることになります。温暖化ガス25%削減に対する鉄鋼業界の反応を、素直に受け取ってはいけませんよ。
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