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日本を環境立国にするために、ITベンチャーを飛び出して起業しました。

東京電力と契約しなくなる日

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いま、私たちの生活において、電力やガスといったエネルギーインフラは、特定の地域販社と契約することが当たり前となっています。東京であれば東京電力と東京ガス、大阪では関西電力と大阪ガスといった形で、私たちはエネルギーの供給元について選択肢がない状況でした。


1995年~2005年にかけて、電力小売の段階的な自由化が行なわれました。大型の発電設備を抱える製鉄所やガスコンビナートなどが新規参入し、電力小売を開始しましたが、結局は送電網などを既存の電力会社に頼らざるを得ず、ビジネスモデルとしては厳しいものがありました。


エネサーブファーストエスコといったベンチャーも参入しましたが、結局現在は省エネコンサル業務がメインとなっているように、このようなインフラ事業を展開するためにはなかなか参入障壁が高いという印象です。


それが一変したのが、民主党政権による「固定価格買い取り制度」の導入です。まずは太陽光発電から、家庭で発電された再生可能エネルギーについて、余剰電力を優遇価格で電力会社に買い取ってもらう制度がはじまり、太陽光パネルの普及が広がっています。そして、この売電以上にインパクトが大きいのは蓄電です。


超シンプルで、水も空気も汚さなくて、なくなる心配をしたり、奪い合う必要もない、原料価格次第でいくら上がってもおかしくない電気代を払い続ける必要もないエネルギーは、もう目の前にあります。

普段当たり前のように使っているエネルギーの背後にある環境破壊から自由になるために必ずしもみんなが市民活動や政治活動をする必要はなくて、ただ、こういう商品を、選べばいいんです。


蓄電に関しては、リチウムイオン電池を中心に開発が進められていますが、レアメタルに関しては採掘地の地域環境汚染が心配されます。日本ではすでにスクラップされる中古車の方が新車販売数よりも多い状況となっており、車のバッテリーなどは今後どんどん余っていきます。むしろ、それらを上手くリユースして蓄電に使うようなイノベーションが必要でしょう。


また、電気は貯蔵するのが難しいですが、たとえば水素や位置エネルギーといった形でエネルギー形質を転換させてエネルギーを貯蔵する方法もあります。そうすると、たとえばもっとも電力を使うような真夏の暑い時期には夜間に貯めておいたエネルギーを使ったり、負荷平準化を図ることで電力のピークを回避することができます。


人口減少社会において、今後電力需要もどんどん減っていくことでしょう。そういった需要の変化に対応するのは、小規模分散型のエネルギーシステムです。これまでのように電力会社が集約して、山の上に送電線を張って大都市に電力を送るといったモデルでは、インフラを転換するには時間がかかります。


今後のエネルギーに関する議論というのは、太陽光でつくったとか原子力でつくったとか、資源軸ではなくて集約か分散かで考えた方がよいでしょう。そうすると、地域によって最適なエネルギー供給手段というものが見えてくると思うのです。


Comment(1)

コメント

さわだ

以前、TVのドキュメンタリー番組で(どこだったかは忘れてしまいましたが)、とある田舎で自宅脇の水路に水車を設置して(もちろん自作)、自宅の電力を水力発電でまかなうというのをやっていました。
 その人は、国土交通省や環境省などいろんなところに届出をださなくてはならないのですが、どこで何の手続きができるのかすらさっぱりわからず、手続きだけで数年かかり何度も挫折しそうになったと話をしていました。
 「自作の水車発電」は稀なケースかもしれませんが、最近では、家庭でのソーラーパネルや家庭用燃料電池の設置、世間の固定価格買い取り制度の認知度の高さが伺えるので、手続きの複雑さに挫折するというのは少ないように思えます。
 いつかは「電気をたいせつに!」のでんこちゃんに、サヨナラを言う日が来るのでしょうか…。

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