オルタナティブ・ブログ > ITは手段、エコは目的 >

日本を環境立国にするために、ITベンチャーを飛び出して起業しました。

アフガニスタンからキルギスへ

»

中央アジア・キルギスにおける民族衝突が激化しています。すでに公式発表以上の数千人が死亡したとも言われており、キルギス系住民がウズベク系住民を放逐する民族浄化のような惨事が起こっているようです。


YouTube: Video of fights and fire in troubled Kyrgyzstan


キルギスは、世界でも珍しい米露の軍事基地が併設されている国です。岩山に囲まれてこれといった産業もなく、遊牧して暮らす住民たちがほとんどだった国に対して、旧ソ連が実効支配を始めて住民の定住を推進したという歴史的経緯があります。その結果、モザイク模様のように民族が混ざって暮らす地域となり、多数派のキルギス系住民と少数派のウズベク系住民の間の経済的格差が広がっていきました。


、、と、表向きには言われていますが、同様なことがアフガニスタンでも起こっていることは記憶に新しいところです。アフガニスタンもさほど産業などが目立つ国ではないのですが、実はエネルギー資源や鉱物資源について非常に多くの埋蔵量が眠っているのではないかと言われています。

アフガンの1兆ドル鉱脈:「戦争の真の理由」という声も

New York Times紙は14日(米国時間)、アフガニスタン各地に、総額1兆ドル(約92兆円)規模の鉱物資源が埋蔵されているとする米国防総省の調査結果を報じた。「リチウム等に関して、原油を産出するサウジアラビアのような国になりうる」とするものだ。

これらの鉱物資源は新しく「発見された」と報道されているが、実は米軍はかなり以前から、アフガニスタンの金属資源が豊富であることを把握していた。

New York Timesの記者は、アフガニスタンに鉱物があることを国防総省が知ったのは、2004年に発見された「古い図表やデータを集めた興味深い資料」による、と伝えている[旧ソビエト連邦が侵攻当時の1980年代に作製した鉱脈図を米国の地質学者が発見。米地質調査所(USGS)がこれを元に、アフガン全土の7割以上を航空機で調査し、実際に多くの鉱脈があることをつきとめた、とされている。


1兆ドル規模の鉱物資源が末端の経済規模ではどのくらいになるのでしょうか。リチウムはとくに、EVなどで蓄電池として重宝されるレアメタルですから、推して知るべしです。そしてキルギスにも、世界第二位といわれるウラン鉱石が眠っているといわれており、原子力発電を推進するエネルギー系資本にとっては、喉から手が出るほどほしい地域だったりします。


いずれにしても、紛争には何かしらの理由があります。いくら表向きは正義や安全保障を声高に叫んだところで、実際に戦争にはお金がかかるわけですから、それ以上のメリットがなければ軍事は起こりません。


20世紀は戦争の歴史でした。21世紀も再び繰り返されるのでしょうか。いや、断固それを阻止するために、日本という国の存在があると思うのです。


Comment(0)