AIを使って何ができるか見当がつかない方に例示する3つのフレームワーク
AIの活用は最近のITトレンドとしては外せないキーワードになっていて、連日各種メディアでAI関連の記事を見ない日はない、といっても過言ではありません。
IBM WatsonもAIのひとつとして取り上げられていますが、IBM自身はWatsonをコグニティブ・コンピューティングと位置づけています。この言葉のキーメッセージは、Watsonはお客様のビジネス上の意思決定を支援する役どころである、ということです。
Watsonをビジネスの現場で活用する事例は、この1年で大きく増えてきたこともあり、経営層からAI(Watson)を活用して何かビジネスに役立つものを検討するように、といった指示が現場に降りてくることが多くなったようです。その現場というのはIT部門であったり、実務部隊だったり様々ですが、あいまいにWatsonを使って何かしろと言われても困ってしまいますよね。
基本に立って、Watsonは何ができるのかを少し説明したいと思います。
コグニティブ・システムの特長としては、認識、推論、学習の3つがあげられます。
従来システムとの違いという観点に着目すると、
- 認識:画像・音声等の従来のコンピューティングで扱えなかった、扱いづらかったデータから情報を抽出できる。
- 推論:会話文等のあいまいな情報から、話し手の意図や目的を推測する。
- 学習:訓練データをシステムに与えることで少しずつシステムを賢くさせていくことができる。
といったことになります。
自然言語処理や機械学習、知識表現といったテクノロジーを基に、WatsonではAPIとして質問応答やテキスト解析、音声認識、画像認識といったサービスをクラウドで提供していますが、それによって提供できるソリューション・フレームワークとして、代表的なものを3つあげています。
それは
- 紹介応答(Engagement)
- 探索・発見(Discovery)
- 意思決定支援(Decision)
です。
Watsonを使って何ができるかまったく検討がつかない、という場合には、この3つに該当する既存のビジネス上の課題がないかを少し考えていただくのがよいと思います。
Watsonは自然言語を認識できるようだからそれを活かして何かできないか、というアプローチではなく、3つフレームワークのいずれかに近い顕在化している課題がないか、というアプローチです。課題があれば、次にその課題に関係するデータ活用が(AIに関わらず)どこまでできているのかを整理してみましょう。データがない企業はないと思いますが、活用できるようにデータを整備できていない、ということはあると思います。そのケースでは、Watson活用の前に、活用しやすいようにデータを整備することが重要になってくるでしょう。何しろWatsonで使うデータはお客様ご自身が用意するデータが基本なのですから。
どのようにWatsonを活用すればいいのか、上記のような視点に基づき、質問に答えていくことでどこから始めればいいのかを絞りこめるサイトがありますので、一度試してみてください。
Watsonは様々なシーンで活用が進んでいます。どこから準備をすれば良いか、確認しましょう。
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)