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日本で80年、世界で106年のITカンパニー

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2017年6月17日、日本IBMは創立80年を迎えました。IBM Corporation ではなく、日本アイ・ビー・エム株式会社としてです。
ちなみに今年創立80年を迎える会社のひとつがトヨタ自動車です。そのことを考えると、日本IBMは外資系ながらかなりの歴史を持っていると言えるのではないでしょうか。

IBM Corporationとしては現在創立106年です。一世紀を超える会社というのは世界的に見ても希少な存在と思いますが、IT業界としてはなおさらです。MicrosoftやOracleでさえ古参と言われてしまう業界ですから。

では、IBMは100年前には何を売っていたのか。もちろんコンピューターではありません。当時は存在していませんでしたから。パンチカードや統計処理機といった機器が主力で、戦後コンピューターの開発に取り組みます。その後はメインフレームS/360の全盛期を経て、PCなど中小型コンピューターに進出、その後はソフトウェアやサービスに重点を移しつつ、現在のクラウドとコグニティブを志向する会社へとつながっていくのです。

ここで、一社員にすぎない私が、経営戦略に基づく事業ポートフォリオの変遷、なんて話をしても仕方がないのでそれは控えます。ただ、個人でも感じる事業の移り変わりについて、あくまで個人経験談としてつづろうと思います。

Wikipedia日本語版の「IBM」には、以下の記載があります。

IBMは既存のコモディティ化した市場を脱出し、高付加価値な収益性の高い市場に着目することで、事業構成を絶えず組み替えている。

端的には、PCやプリンター、IAサーバーなどを売却する一方で、各種ソフトウェアやサービスを買収してラインナップに組み込んできました。

営業としては、これまで当たり前に販売してきた製品がなくなると、そのときは非常に大きなインパクトがあります。PCのときはかなりの衝撃がありました。その一方、新たに加わった製品やサービスはどうお客様に価値を訴求すればいいのかを自分なりに考えなければならず、即戦力というわけにもいきません。でも、それは言い訳にはできないという文化は確かにあると思います。
一般的には、朝令暮改という言葉はよくないこととして使われますが、IBMではこれはいいことなんだと、入社時に先輩や上層部からのメッセージとして聞きました。朝令暮改どころか朝令昼改、朝令朝改だっていいんだ、ダメなのは決められたことだから最後までやると頑なになってしまうことだ、と。

私はIBMでしか勤務したことがないので厳密には他社との比較はできませんが、IT業界、そして外資系ということで、世間一般より動きの速い会社だと思っています。さらにここにきて、クラウドやらWatsonやらで、猛烈なスピード感です(いま私のメイン担当はWatsonです)。でも、このスピードについていくことは、生き残りに不可欠なことです。
こうした社員のマインドが連綿と続くことで、IBMは一世紀を超えてなお、進化を続けている、そう思っています。


ご関心がありましたら、日本IBM80年の特設サイトをご覧ください。

日本IBM 創立から80年の軌跡

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