たまにはPCを閉じてみよう
こんな記事が目にとまりました。
座ったままPC作業は禁止 アイリスオーヤマ「立ちPCテーブル」導入 (ITmedia NEWS)
私の仕事は、再三ご紹介しているとおり、デジタルセールスという部門での営業、古い言葉で言えば内勤営業です。訪問型でない営業、電話や各種デジタルツールを活用しての営業です(とはいえお客様訪問の機会も多いですが)。
こうした営業スタイルからすると、PCの利用は必須です。
普通の訪問型営業、あるいはITエンジニアでも常にPCで仕事しています。iPadを使うこともありますが。弊社の中で、PCを開かずにデスクで仕事をしている人はいないといってよいでしょう。ITが本業の会社なのである意味当たり前なのですが、今や、日本中のオフィスを見渡しても、デスクにPCのない会社は珍しいでしょうね。
私が大学を出て会社に入ったのが1996年です。Windows 95の普及が本格化した年、と言えるでしょうか。卒業後初めて会った同級生ともらったばかりの名刺を交換したとき、私以外にメールアドレスを入れている人はまずいなかった、そんな時代です。
入社後の研修でも、ITの会社なのにOfficeソフトの使い方がプログラムの中にありました。また、グループワークで作成する仮想のお客様へのご提案資料は、手書きで作ったことを覚えています。
研修終了後に担当したお客様も、まだPCがひとり1台にはなっていませんでした。二人か三人に一人でPCを共有していて、事務作業が必要なときにのみ、デスクから離れた場所に設置されているデスクトップPCに向かって仕事をする、というスタイルです。
当時はPCも提案する営業だったので、一人一台にすれば効率が上がりますよとお客様によく持ちかけていたものですが、この当時はまだそこまで必要ではなかったのですね。紙で資料を作成してそれを必要な人に説明するスタイルだったり、社内の申請はすべて紙の書類を書いてハンコをもらう仕組みだったり。
それが徐々にOfficeソフト(表計算やプレゼンピッチ)に置き換わり、ワークフローや業務処理の仕組みができていって、紙での処理がなくなっていったのです。
IBMはかなり先行してシステム化されていたので、私自身はPCを使わずに仕事をしたことはありません(紙に出力してハンコを押した申請用紙を回すことはありましたが)。ですので、PCを使わない仕事スタイルは正直言って実感ができないのですが、アイリスオーヤマさんでのケースには、共感できるところもあります。
特に会議の場です。会議中、他の誰かが発言していてもPCばかり見て話を聞いているのかどうかわからない。こういったことに皆さん直面したことがあるのではないでしょうか。自分が発言したときに誰もこちらを見てくれないと、聞いているのか不安になる、ちょっとさびしい、むなしい、わびしい、ときにはムカつく。
最近はメモをノートに取らずにPCに打ち込む人も多いので、PCを開いているイコール話を聞いていない、ということではないのですが、ディスカッションのときには目線をあげて、できればPCを閉じて集中するようにしたいですね。私も常にできているわけではないのですが。
振り返ってみれば入社して数年はデスクトップPCでしたので、打ち合わせのときはPCから離れざるを得ず、今よりも集中できる環境にあったように思います。壁に大きな用紙をかけてそこに書き込みながらディスカッションをする機会が多かったですね(今でも完全になくなってはいませんが)。
クリエイティブなディスカッションをするときは、意識してPCを閉じてみよう。そんなことを考えました。
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)