ネイティブ・モバイルワーカーが主力の会社だけど自分は
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皆さんのオフィスでの席は固定席ですか、それともフリーですか?
日本IBMでテレワークが始まってから20年、自分の固定席を持ったことがない世代、「ネイティブ・テレワーカー」がすでに社内では主力だ、という記事が出ています。
『自分のデスク、もったことないんです』自然なテレワークの姿とは?--ネイティブ・テレワーカーズ・クロニクル#1
これについて、一社員としての立場で、思うことと経験を書いてみようと思います。記事の中で、専用端末を自宅に設置するホームターミナル制度が30年前にあったとありますが、社歴20年の私には情報がありません。私が入社したときは、デスクトップのPC(ちなみにOSはOS/2 Warp)が配備され、固定電話&ポケベルというインフラでした。 お客様訪問する際は、オフィスの一画にある紙のスケジュール帳に行き先を記入するのがルールで、外部から電話があると、受けた人がそのスケジュール帳を見て営業担当者の行き先を確認する、という仕組みでした。
PCはデスクトップですし、お客様訪問が終わると、基本的にはオフィスに戻らなければなりませんでした。そうそう、かかってきた電話メモを見て、お客様や社内にコールバックをする必要もありましたね。
そうなると、やはり退社時間がどうしても遅くならざるを得なかったのです。新入社員で要領が悪かったというのはあると思いますが、それを差し引いても、移動時間の制約はどうしてもありました。
その後、徐々にモバイル環境が整っていきました。ポケベルから携帯への転換、デスクトップからノートPCへの移行、モバイル通信カードの配布などがハード面での施策でした。これは多くの会社も同じようだと思います。
記事の中でも触れられていますが、他社にはあまりない仕組みとして、ビジターオフィスという、立ち寄りスポットを新宿や渋谷といったターミナル駅近くに設けたことでしょうか。これにより、お客様先からの帰りにわざわざ 自宅と逆方向の会社に戻らなくてもよくなり、お客様訪問をはしごする際の作業場所として活用できます。
自由に自分のPCを持ち運べることと合わせて(もちろんセキュリティ対策は厳格)、自分にとって最も素晴らしいと思える施策がこのビジターオフィスです。
基本的にはこのモバイルワーク制度(自分はテレワークという言葉は使いません)のメリットは十分に感じていますが、モバイルワーカー・ネイティブではないせいか、固定席制度にもいいところはたくさんあると思っています。
20年の社歴のうち固定席が13年、ローカル勤務があったこともあり、標準的な営業担当者より長めです。デジタルセールスという仕事の性格もあり、実は今も固定席です。
固定席は自分の備品(文房具や書籍など)を置いておけることもあり、ここが自分の席だ、ということでやはり快適です。新入社員のコーチングという観点では、固定席の方がいい、なんて声もよく聞きます。
モバイルワークでないのは遅れている、とは決して思いません。固定席もモバイルワークもどちらも一長一短あります。ハード面の整備だけが大事なのではないと思います。プロフェッショナルとして社員の力を引き出すことが重要であり、そのための施策は会社によって異なるでしょう。それぞれの会社で仕事のやり方や置かれている環境は違うのですから。
限られた予算の中で、何を優先して取り組むのか考える、その際、社員のプロフェッショナル能力を引き出すことを最優先に考えれば、自ずと答えは出るのではないかと思います。
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)
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