オンラインストレージ〜企業での利用も一般的に
皆さんはオンラインストレージを利用していますか?
オンラインストレージって何、という方もいるかもしれませんね。
クラウド上でファイルを保管してくれるサービスで、クラウドストレージ、オンラインファイル、といった呼び方をされることもあります。
最近ですと、iCloud の知名度が高いかもしれませんね。iPhoneユーザーであれば、バックアップや機種変更のときに一時的にデータを保管する用途で使ったことがある、という方も多いのではないでしょうか。
なんだ、それなら知っているよ、と言われそうですが、他にもGoogle DriveやDropboxといったあたりが、個人ユースとしてよく使われるサービスになりましょうか。
オンラインストレージは、その名の通りストレージ、つまりデータ保管場所として使われます。PC上のデータを他のユーザーと共有したい、あるいはバックアップをとっておきたいといった場合には、外部に移す必要があります。古い時代であれば、フロッピーディスク(ちなみにIBM用語ではディスケット)、少し前まであればUSBメモリーに保管するというのが一般的でした。
ただ、そうした外部メディアに保管する場合、容量の制約があること、紛失時のリスクが大きいことが問題となっていました。
最近では、データ保管場所として、クラウドサービスが多く使われるようになっていますが、その背景としては、モバイル端末からのデータバックアップ、データ共有のニーズが大きくなっているからと考えます。iPhoneをはじめ、現在多くのモバイル端末にはUSBメモリーなどの外部記憶媒体が備わっていません。外部にデータを移そうとすると、PCとケーブルで接続して移すこともできますが、それは面倒なので、クラウドサービスに保管することを多くのユーザーは選択します。
私の個人的感覚からすると、先に個人利用のサービスでDropbox等が使われるようになり、その間企業ユースでは、Dropbox等の利便性を感じつつも、顧客との大容量ファイルの送信にファイル転送サービスを使うくらいで、オンラインストレージの企業としての整備は遅れていました。それは、いわゆるファイルサーバーが社内で構築され、個人の業務用PCに保管できない(あるいは保管してはいけない)ファイルは部門あるいは全社レベルのファイルサーバーに保管するというのが一般的だったためです。このファイルサーバー方式では、利便性という観点でオンラインストレージより劣るため、企業のユーザー個人が、勝手にDropbox等のオンラインストレージにデータを保管するといった事態が起こってしまっています。
どの点で利便性が劣るかというと、一般的には、
・社外とデータ共有ができない。
・ファイルのバージョン管理ができない。
・アクセス権限の設定が難しい。
・サーバーやソフトウェアのインフラ管理が必要。
といったことがあげられます。
それに対して、オンラインストレージであれば、
・社外ともセキュリティを確保しながらデータ共有ができる。
・ファイルの更新履歴が残るため、バージョン管理が可能。
・アクセス権限を細かく設定ができる。
・クラウドサービスなのでインフラ管理が不要。
といったメリットがあります。
企業ユーザーの個人が勝手にDropboxを利用してしまうと書きましたが、Dropbox等の個人向けサービスが悪いといっているわけではありません。ただ、企業ユースで利用する以上、やはり十分にコントロールされた環境で利用することが不可欠です。会社としての利用ポリシーを策定して、その上で社員に利用させる。そうしないと、セキュリティー上のリスクも出てしまいます。
個人利用からスタートしたDropboxも、その使い勝手になれたユーザーをひきつけて法人向けサービスを展開しています。GoogleやMicrosoftも同様です。
IBMはもともとファイルサーバーをほとんど使ってこなかったのですが、最近ではBoxというサービスを使うようになり、私はもうこれがないと日々の業務が回っていかないという感じになっています。オンラインストレージのサービスには各社それぞれ特徴があると思います。容量、セキュリティー設定、課金体系等、自社での運用を考えて何を優先するかを見極めてどのサービスを選択するかを検討するとよいと思います。
ちなみに、IBMはBoxを社内で使うとともに、Box社との包括的な提携に基づき、お客様にBoxを提案、販売する立場にもあります。私はBoxの担当営業という立場でもありますので、最後にWebセミナーの情報を掲載させていただきます。このセミナーは私が講師を務める予定になっています。
クラウド型ファイル共有サービスの決定版「Box」~世界5万社以上の企業で利用される訳は「社外共有」、「モバイル」、「セキュアー」~
2016年8月24日、9月7日、9月21日
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)